2021年12月1日、MugenWiFiとAiR-WiFiのサービスの運営会社が「株式会社FREEDiVE」に変更されたことが両運営の公式Twitterアカウントで発表されました。
経営統合後の運営会社はこちら!
— AiR-WiFi【公式】 (@wifi_air) December 1, 2021
今後ともAiR-WiFiをよろしくお願い申し上げます。
株式会社FREEDiVE 公式サイトhttps://t.co/cwxbEmICsu#Airpods #プレゼントキャンペーン #懸賞 #AiRWiFi #MugenWiFi #合併
経営統合後の運営会社はこちら!
— Mugen WiFi【公式】 (@Mugen_WiFi) December 1, 2021
今後ともMugenWiFiをよろしくお願い申し上げます。
株式会社FREEDiVE 公式サイトhttps://t.co/QDqkikmDGj#Airpods #プレゼントキャンペーン #懸賞 #MugenWiFi #AiRWiFi #合併
これは、二つのポケット型WiFiサービスがマーケティング等を主に手掛ける「株式会社FREEDiVE」の傘下に入る形で合併したことを意味します。
関係筋の話では株式会社FREEDiVE公式サイトからの発表はないとの事です。
MugenWiFiは株式会社Surfave(サーフェーブ)が、AiR-WiFiは株式会社Ocean Mapがそれぞれ運営する国内シェアトップクラスのクラウドSIM型ポケット型WiFiのレンタルサービスです。
国内シェアの多くを占める大人気サービスの統合ということで業界に衝撃が走りました。
河村亮介(カワムラリョウスケ)
GreenEchoes Studio代表
通信系サービスの比較を専門に自社メディアの運営のほか複数メディアでの執筆監修も担当しています。利用者のニーズに沿ったサービス提案が得意です。最近ではWEBライターの必須アイテムでもあるキーボードの専門家としても活動中。
【お知らせ】2022年7月1日の改正電気事業通信法施行に伴い、掲載サービスの料金プランが大きく変更されている場合があります。随時修正を行なっておりますが、最新のプランについては公式サイトをご参照くださいますようお願いいたします。
MugenWiFiとAiR-WiFiが同一企業傘下に入るという衝撃
MugenWiFiといえば2019年創業の企業で、株式会社グッドラックが運営している「どんなときもWiFi」と共にクラウドSIM型ポケット型WiFiの黎明期からあるこの界隈では古参のサービスです。
2020年9月から月間上限ありのプランをリリースし、最近ではイメージキャラクターに人気モデルの馬場ふみかさんを起用するなど非常に精力的なプロモーションで知名度がさらに向上してきています。
AiR-WiFiはクラウドSIM型ポケット型WiFiでは最後発と言っても過言ではありません。
AiR-WiFiを提供する株式会社Ocean Mapは2021年1月創業の非常に若い企業です。
「業界最安値」と「契約期間縛りなしオプション」をウリに破竹の勢いで契約者数を増やしてきました。
創業者の山本将聖氏のTwitterプロフィールでは「WEB経由で業界2番目に売っている」ということからも先発であるMugenWiFiに迫る勢いで事業成長を成し遂げているようです。
いわば「業界ツートップ」が統合し同じ傘下に入るということは、ポケット型WiFi業界にとって非常に大きな衝撃になりました。
今後の課題はサービスの差別化か
サービス展開を進めていく上での課題として考えられるのが「自社サービス内の差別化」ではないでしょうか。
MugenWiFiとAiR-WiFiがFREEDiVE傘下に入ることで、同一企業内に3つのポケット型WiFiサービスが存在することとなります。
2021年12月から株式会社FREEDiVEが持つポケット型WiFiのレンタルサービスは下記の3つとなるため、これの「明確な差別化」が図れないと自社提供サービス内での「顧客の奪い合い」が生じてしまうことにもつながりかねません。
- MugenWiFi
- AiR-WiFi
- E-!WiFi
MugenWiFi・AiR-WiFi・E-!WiFiのそれぞれの特徴を比較
簡単にMugenWiFi・AiR-WiFi・E-!WiFiのサービス内容を比較してみましょう。
MugenWiFi | AiR-WiFi | E-!WiFi | |
---|---|---|---|
月額費用 | 3,718円(税込) | 3,278円(税込) | 3,718円(税込) |
契約事務手数料 | 3,300円(税込) | 3,300円(税込) | 3,300円(税込) |
月間パケット上限 | 100GBのみ | 100GBのみ | 100GBのみ |
契約期間 | 2年間 | 1年間 | 2年間 |
契約解除料 | 初月:30日間お試し 2ヶ月ー12ヶ月:9,900円(税込) 13ー24ヶ月:5,500円(税込) 25ヶ月ー:0円 | 初月:30日間お試し 〜12ヶ月:7,700円(税込) 13ヶ月:0円(税込) 14〜25ヶ月:5,500円(税込) 26ヶ月:0円(税込) 27ヶ月ー38ヶ月:5,500円(税込) | 初月〜12ヶ月:9,900円(税込) 13〜24ヶ月:5,500円(税込) 25ヶ月〜:0円 |
自動更新 | なし | あり | なし |
日割り計算 | なし 次月配送あり | なし 次月配送あり | なし 次月配送あり |
契約期間なしオプション | あり +660円(税込)/月 | あり +330円(税込)/月 | あり +330円(税込)/月 ※本体価格から110円(税込)割引 |
契約期間縛りなしの場合 | 4,378円(税込) | 3,608円(税込) | 3,938円(税込) もしくは 3,498円(税込)※2 |
キャンペーン込みの最安値 | 実質3,438円(税込)/月 ※1 | 3,278円(税込) (キャンペーンなし) | 3,498円(税込) ※2 |
口座振替 | 対応 +550円(税込)/月 | 未対応 クレジットカードのみ | 未対応 クレジットカードのみ |
キャンペーン | 13ヶ月目:5,000円(不課税)CB 24ヶ月目:5,000円(不課税)CB | なし | オプション付与で割引 |
端末補償 | +660円(税込)/月 故障紛失まで補償 | +660円(税込)/月 故障のみ補償 紛失は補償対象外 | +660円(税込)/月 ※本体価格から220円(税込)割引 故障紛失まで補償 |
※1 実質価格となるのは24ヶ月間継続契約を実施し、10,000円(不課税)のキャッシュバックを満額受け取った場合
※2 オプションを複数付与したことによる割引。端末保証と3ヶ月まとめ払いを選択した時の1ヶ月の支払い総額
MugenWiFiの特徴
同社サービス内で一番サービス改革を求められるのは恐らくはMUGEN WiFiとなるでしょう。
10,000円(不課税)のキャッシュバックや有名タレント「馬場ふみか」さんをイメージキャラクターに起用しているという点や広告での露出度、古参サービスということも踏まえると恐らくは3つのサービスの中では最も知名度の高いサービスだと思われます。
2020年9月にパケット上限ありのプランをリリースし、価格改定を行なってきましたが、ベース価格が縛り期間ありで3,718円(税込)/月というのは若干割高な印象を受けてしまうのは事実です。
また、実質価格として提示している「3,438円(税込)」は契約から24ヶ月以上継続して使用しないと実現しない数値となっており、契約期間縛りなし+3ヶ月まとめ払いオプションを選択した際のE-!WiFiで「3,498円(税込)/月」と比較しても割高感は否めないでしょう。
自動更新がない点や端末保証が紛失までカバーしている点や2021年11月に口座振り込みに対応した点についてはユーザーにとっては大きなメリットですが、あくまでも2年間の契約が前提となるため、他2つのサービスと比較すると「違約金とキャッシュバックで2年間の契約を約束させる」ようなサービス形態となっている点は改善の余地がありそうです。
公式サイトはこちら
MUGEN WiFi
AiR-WiFiの特徴
AIR-WiFiは契約期間に縛りがある月間100GBクラスのポケット型WiFiでは非常に安価な部類です。契約期間が1年間となっており、キャッシュバックなどのキャンペーンも実施しておらずわかりやすい料金形態、他2サービスに比べると中途解約時の契約解除料が安価となっている点では非常に良心的なサービスと言えます。
縛り期間なしとなるオプションに加入した場合でも、月額3,608円(税込)から利用できることもあり、非常に人気の高いサービスとなっているようです。
創業者の山本将聖氏のTwitterプロフィールでは「WEB経由で業界2番目に売っている」と明言しており、2021年1月創業のサービスとしては破竹の勢いで売上を伸ばしてきたものと思われます。
当サイトの独自インタービューにおいても、サービスとして大変信頼が置けることがわかりました。
他2サービスと比較してデメリットを挙げるとすれば、端末補償が同価格(+660円(税込)/月)で紛失までカバーされていないこと、支払い方法がクレジットカード払いにしか対応していないという2点がありますが、契約を検討しているユーザーにとってのマイナス材料にはそれほどならないように思います。
公式サイトはこちら
AIR-WiFi
E-!WiFiの特徴
E-!WiFiは2021年10月にサービスインを果たした株式会社FREEDiVEが元々提供しているポケット型WiFiのレンタルサービスです。新規サービスのため知名度としてはまだまだ低いですが、独自の価格設定が魅力的で、オプションの選択方法次第では前2サービスよりもお得に利用できるメリットがあります。
E-!WiFiは下記3つの契約オプションを取り揃えており、オプションを選択すると「オプション費用が月額費用に加算」される代わりに「ベース料金が値下げされる」という従来のポケット型WiFiにはない割引形態となっているのが大きな特徴。料金 | 割引額 | |
---|---|---|
オプションなし | 追加費用なし | 0円(税込) |
①故障紛失補償 | 660円(税込) | 220円(税込) |
②期間縛りなし | 330円(税込) | 110円(税込) |
③3ヶ月おまとめ | 0円(税込) | 330円(税込) |
この3つのオプションを組み合わせることで「ベース料金が割引」になった結果、総支払額も結果として安価になる仕組みとなっています。
ベース料金 | オプション料金 | 割引額 | 利用者が支払う月額料金 | 1ヶ月あたりの端末代金 (ベース料金-割引額) | |
---|---|---|---|---|---|
オプションなし | 3,718円(税込) | 0円(税込) | 0円(税込) | 3,718円(税込) | 3,718円(税込) |
①のみ | 3,718円(税込) | 660円(税込) | 220円(税込) | 4,158円(税込) | 3,498円(税込) |
②のみ | 3,718円(税込) | 330円(税込) | 110円(税込) | 3,938円(税込) | 3,608円(税込) |
③のみ | 3,718円(税込) | 0円(税込) | 330円(税込) | 3,388円(税込) | 3,388円(税込) |
①+② | 3,718円(税込) | 990円(税込) | 440円(税込) | 4,268円(税込) | 3,278円(税込) |
①+③ | 3,718円(税込) | 660円(税込) | 550円(税込) | 3,828円(税込) | 3,168円(税込) |
②+③ | 3,718円(税込) | 330円(税込) | 550円(税込) | 3,498円(税込) | 3,168円(税込) |
①+②+③ | 3,718円(税込) | 990円(税込) | 770円(税込) | 3,938円(税込) | 2,948円(税込) |
特筆すべきは「期間縛りなしオプション」+「3ヶ月おまとめオプション」を選択した場合、3つのサービスの中では契約期間縛りなしで最安値となる点です。(3,498円(税込))
ちょうどフジワイファイの「デポコミ」のような支払い形態となっていますが、こちらは3ヶ月おまとめとなっているため1回あたりの費用負担がフジワイファイと比較すると安価となっているためユーザーの一時的な費用負担が軽いことは「ユーザーに寄り添っている」と評価できます。
公式サイトはこちら
E-!WiFi
3つのサービスの今後には大いに期待が持てる
以上、 MugenWiFiとAiR-WiFiが株式会社FREEDiVEに吸収合併する形で「同一傘下」になったことについてお伝えしてきました。
恐らくは「ユーザーの奪い合い」を防止する観点でも、これらのサービスは共存に向けてそれぞれの独自色を前面に出す形でサービス内容のブラッシュアップが行われていくと考えられます。
最近では、古参大手の「クラウドWiFi」が月間50GB・20GBのライトユーザー向けプランをリリースするなど、いわゆる「ヘビーユーザー以外」をターゲットにした新プランを展開し話題となりました。
ポケット型WiFiはキャリアが提供するパケットプランと比較すると1GBあたりのデータ単価が非常に安い部分が最大の魅力となっており、いわゆる「格安スマホ」とセットで持つことで通信費の節約が図れますが、実際には「番号そのまま乗り換える(MNP)ハードルが高い」ことで、併用しているユーザーはほんの一握りでしょう。
やはりネックとなっているのは「キャリアメールが持ち運びできない」ことだと筆者は考えています。
ただし、これに関してもドコモは「2021年中に実現」することが有力視されており、他2社に関しても2022年中の持ち運び実現が期待されています。
これによって、OCNモバイルONEが提供する「500MB /月コース」などに乗り換えてポケット型WiFiと併用して通信費を節約できるハードルがぐっと下がることでしょう。
2021年も残すところあとわずかとなりましたが、2022年も通信界隈の進化からは目が離せませんね。