2020年12月25日追記
クラウドSIMの仕組みを採用しているモバイルWiFiルーターでは、同一拠点での計測の場合、同一接続先となるケースが多いです。
そのためソフトバンク回線につながることが多いです。
しかし、一方ではクラウドSIMは使用されている物理SIMカードの割合を公表していないため、ソフトバンク回線の物理SIMカードの割合が多い可能性があります。
最新調査結果は下記記事をご覧ください。
https://greenwaves.jp/wifi/cloud-wifi-speed/
クラウドSIMwifiルーターが人気を集めています。
- パケット無制限
- トリプルキャリア対応で繋がりやすい
というのが最大の特徴ですが、実際に使用している人の声を聞くと「X社回線にしか繋がらない」というのをよく耳にします。
本記事ではクラウドSIMwifiルーターがX社回線にしか繋がらない理由を考察していきます。
- クラウドSIMwifiルーターはの多くはX社回線に繋がる
- 繋がりやすい回線の違いは端末の違いではない
- X社回線に繋がる理由は代理店が行うクラウドSIMサーバーの設定にある可能性あり
- 現状ではトリプルキャリア対応ではなく、X社回線に優先的に繋がるような制限がかけられている可能性あり
【お知らせ】2022年7月1日の改正電気事業通信法施行に伴い、掲載サービスの料金プランが大きく変更されている場合があります。随時修正を行なっておりますが、最新のプランについては公式サイトをご参照くださいますようお願いいたします。
クラウドSIMサーバーは利用サービスによって契約が違うのか?
当サイトで測定したクラウドSIMwifiルーター3社の計測結果を確認すると、同じX社回線を使用しているのに通信速度が違うという結果になりました。
速度の違いは機種の違い?
速度の違いは機種の違いではない。
どんなときもwifi・GoGoWiFiで共通していたのは、GlocalMe U2sという端末を使っているということでした。
3機種では唯一限界突破wifiのみがjetfon P6のOEM機種となっています。
トリプルキャリア対応であれば下記のBandに対応している機種である必要があります。
- ドコモ(Band1/19)
- au(Band1/18/26)
- X社(Band1/3/8)
調べたところ、GlocalMe U2sはau回線のプラチナバンドの一つであるBand26のみ対応していませんでした。
jertfon P6 OEMに関しては上記すべて対応していました。
参考:クラウドSIM採用WiFiルーターの速度(実測値)と繋がりやすい回線についての調査結果
どんなときもwifiの公式HPによると
※提供エリアは各キャリア公表のLTEエリアとなりますが、本サービスの端末が対応している帯域のみご使用いただけます。携帯電話の対応帯域とは異なりますのでご注意ください。
※接続する回線キャリアは自動で割り当てており、お客様にて選択することはできません、予めご了承ください。引用:どんなときもwifi
とあります。
確かにauのBand26には繋がらないと暗に記載されていますが…そもそも繋がるのはX社回線でした。
流石に機種によって受信する電波の速度が遅いとは考えられないので、機種による速度の違いはないと考えました。
速度の違いは繋がるBandの違い?
速度の違いは繋がるBandの違いの可能性がある
3メーカーのクラウドSIMwifiルーターそれぞれ、繋がる回線は一様にX社回線でした。
では、使用するBandが違う可能性はどうでしょうか。
X社回線は
- Band1(2GHz)|高速通信(112.5Mbps)を担う主要回線
- Band3(1.7GHz)|高速通信(75Mbps)を担う
- Band8(800MHz)|速度は遅いが繋がりやすい回線
の3種類があります。
限界突破wifiのみ、この別バンドで通信しているのだとしたら速度が違うのも納得できます。
流石につながった周波数帯域までは特定できませんのでここはブラックボックスですが…。
クラウドSIMはサーバー側で繋がる回線・周波数帯を制限できる可能性がある
ここからは憶測でしかありませんが、クラウドSIMはサーバー上で繋がる回線や周波数帯を制限できる可能性があると考えています。
このクラウドSIMという仕組みは中国に本社があるuCloudlink社のPaaSサーバーで行われているという説明です。
引用:uCloudlink
日本におけるクラウドSIMWiFiルーターはuCloudlink社と代理店契約を結んでサービスを販売していると思われます。
参考:【仕組みを解説】クラウドSIMとは?uCloudlink社と販売代理店の関係も解説
※接続する回線キャリアは自動で割り当てており、お客様にて選択することはできません、予めご了承ください。
引用:どんなときもwifi
どんなときもwifiの公式サイトに書いてある文言を確認するためにuCloudlink社に質問したところ、下記の回答が得られました。
お問い合わせいただきましてありがとうございます。
すでにご覧いただいておりましたら恐縮ですが、
弊社が提供する技術につきましては、公式Webサイトをご覧いただければと思います。
弊社はCloud SIMの技術にて各端末ごとへ最適なリソースを割り当てることによりサービスを提供しております。
弊社製品の原理につきまして、端末が起動された後、
まず現地ネットワークを検査して、 電波状況が一番芳しいキャリアに接続するようになります。 接続成功になった後、携帯、PCなどのようなデバイスは弊社の製 品を通じてWIFIに接続してネット通信が可能になります。 エンドユーザー様がご利用いただいているサービス内容は、弊社技術を採択いただきましたクライアント様によって異なりますので、詳細については各サービス提供者様へとお問い合わせいただければと存じます。
接続原理については「電波状況が一番芳しいキャリアに接続するようになります。」とのことで、どんなときもwifiの公式サイトとの整合性が取れました。
しかし、「エンドユーザー様がご利用いただいているサービス内容は、弊社技術を採択いただきましたクライアント様によって異なります」との回答が得られました。
実際にエックスモバイル木野氏へインタビューをおこなったユーチューバー「ふじもん」さんも
- 「独自のクラウドSIM」
- 「クラウドSIMのアップデート」
- 「ドコモ回線も繋がりやすくする」
とおっしゃっていました。(23:12/31:32)
まとめ
現状のクラウドSIMの問題点としては高頻度でX社回線に繋がって、他の回線はほとんど繋がらないということでしょう。
ごく稀にau回線も掴みますが、やはり稀です。
以前の考察記事では「機種によって掴みやすい電波が違う」「X社回線が優秀」と結論づけていましたが、修正いたしました。
クラウドSIMは恐らくサービス提供側で何らかの制限をかけているのでしょう。
現時点でこの事実を明るみに出しているのは限界突破wifiのみです。
本当の意味でトリプルキャリア対応になれば、もっと良いサービスになると思います。
景品表示法違反にならないためにもトリプルキャリア対応なのであればドコモ・au・X社回線に繋がるようになってほしいところですね。
今後のクラウドSIMサービスの発展に期待しましょう。
あなたにピッタリのWiFiルーターが見つかるといいですね!