2020年8月28日更新
本記事を投稿したのが2020年4月末でしたが、状況が大きく動いてきたので更新いたします。
やはりX社SIMカードの条件変更により、各社パケット無制限でのクラウドSIMの運用が困難となり、次々とパケット上限ありの料金プランへ移行してきています。
https://greenwaves.jp/wifi/dataunlimit-change/
一方で、ユーザー数を多く抱えるどんなときもwifiは、パケット上限ありの新料金プランへの移行を断念、2020年10月31日でパケット無制限プランの終了をアナウンスしました。
https://greenwaves.jp/wifi/donna-unlimit-end/
既存パケット無制限プランユーザーが少ないサービスに関しては、それらのユーザーを残したままで新規にパケット上限ありプランをリリースしています。
現時点ではクラウドSIMの仕組みを用いて「パケット無制限プラン」を提供する事業者の新規受付はなくなり、業界の健全化が進んでいます。
一方で月間100GB上限のクラウドSIMレンタルWiFiルーターサービスでは暗に端末割賦代金が発生し、解約時に高額請求となるケースも発生しているため注意が必要です。
https://greenwaves.jp/wifi/cloudsim-tanmatsukappu-attention/
https://greenwaves.jp/wifi/hikaku/
【お知らせ】2022年7月1日の改正電気事業通信法施行に伴い、掲載サービスの料金プランが大きく変更されている場合があります。随時修正を行なっておりますが、最新のプランについては公式サイトをご参照くださいますようお願いいたします。
クラウドSIMWiFiルーターのビジネスモデルについて
クラウドSIMWiFiルーターのビジネスモデルについてですが、uCloudlink社が提供する「クラウドSIM」という仕組みを用いて、当該端末から契約した運営会社のサーバー上に格納されている物理SIMカードにアクセスし、通信をする形となっています。
国内の多くのクラウドSIMWiFiルーターに関してはパケット無制限を謳っていますが、実際には物理SIMカードを挿しているということからも「有限」なサービスとなっています。
用意したSIMカード容量を契約者でシェアしているような形をとっているため、一部ユーザーが大容量通信を行った場合、用意している容量が枯渇し、契約ユーザー全体に通信ができない状態になってしまうことが考えられます。
昨今では、一部SIMカードの供給停止が「株式会社グッド・ラック」や「エックスモバイル株式会社」から発表されたことで、契約ユーザー分のデータ容量が確保できない事態に見舞われています。
この一部という表現に関しては、大体の接続がソフトバンク回線となっていることからもソフトバンクSIMカードの供給条件に何らかの変更があったことが考えられます。
事実、各所に取材を行ったITMediaの記事によればソフトバンク側の証言として
「ソフトバンクとして再販事業者向けに容量無制限での卸売は行っていない」
「再販事業者が、無制限などのソフトバンクが承認できないサービス提供を行っていることを知得した場合、都度是正を依頼している」
引用:ITMedia
とのことで、今後パケット無制限を謳うサービス全体が規制される懸念もあります。
また、クラウドSIMWiFiルーターに関しては、トリプルキャリアに繋がるとのメリットを掲げていますが、実際にはソフトバンク回線に繋がることがほとんどで、他回線に繋がったとしても、ドコモやauのキャリア回線ではなく、MVNEと呼ばれる格安SIM会社の1次供給元に繋がることが報告されています。
また、上記ITMediaの記事内でもエックスモバイル社長の木野氏が他社のSIMカードで不足分を補っていたことを認めました。
企業努力によりパケット無制限は実現できるとのことですが、いずれにしてもソフトバンク回線以外は非常に低速となっており、パケット無制限の恩恵を本当の意味で受けることが出来ていません。
uCloudlink社の名誉のために注釈しますが、決してクラウドSIMの仕組みが悪いわけではありません。
日本国内での使用に関してのやり方が、テレワークをはじめとする昨今の新型コロナウィルスによる行動の変化に対応出来なくなってきていると考えています。
SIMカードの供給条件については運営会社によって異なる様子
ケータイウォッチ様のZEUS WiFi運営会社である株式会社Human Investmentに対するインタビュー内で、ソフトバンクSIMカードは直接ソフトバンクから仕入れているのではなく、仕入れを行っているいわば一次代理店の存在する可能性があります。
当サイトのGMOとくとくBBへの取材により、「どんなときもwifiとは仕組みが異なる」というコメントから、一次販売代理店については複数存在するものと考えられます。
どんなときもwifiについては、総務省の指導を受けて一次販売代理店が兼松コミュニケーションズだったことを明らかにしています。
この一次販売代理店の違いにより、ヒューマンなどのクラウドSIMWiFiルーターを運営するいわば二次代理店への供給条件に関しては異なることが考えられます。
また、大容量通信が可能なX社SIMの上限容量が減らされていることが当サイトの調査によって判明しており、クラウドSIMWiFiルーターの心臓部である「SIMプール」内に挿入されているSIMカードについても例外ではないことから、データシェアの仕組みを採用しているクラウドSIMWiFiルーターにおいても、通信容量が減る恐れがあります。
→実際にそうなったため、各社パケット上限ありの新プランへ移行しました。
通信障害(制限)が報告されているクラウドSIMサービス
こちらに関しても公式発表がされていないものが大多数ですので、敢えて伏せさせていただきますが、株式会社レグルスが運営する「フジワイファイ」に関しては、公式サイトで下記アナウンスをされています。
フジワイファイについては、クラウドSIMの仕組みを使った「快適!クラウドプラン」の撤廃を5月中旬に発表致しました。
同様に報告されているものとしては
- G社の提供する「GWiFi」
- h社の提供する「hWiFi」
- X社の提供する「MWiFi/TWiFi」
- E社の提供する「YWiFi」
が挙げられます。
他にも管理人が把握している限りですが、以下のクラウドSIMwifiルーターレンタルサービスで過去もしくは現在にかけて、一定数以上の通信で通信制限がかけられる等の不具合がSNS上で報告されています。
下記については通信障害当時、ユーザー様からいただいたコメントになるため、残しておきます。
クラウドSIMWiFiルーターの健全化は始まったばかり
以上、最新のクラウドSIMWiFiルーターの状況について解説してきました。
パケット無制限が是正されてようやくこの界隈も健全化が進んできました。
依然として日本国内ではデータ単価が高額となっており、動画コンテンツなどの大容量ニーズに通信料金が追い付いてきていない状況です。
そういった事態を鑑みて、契約者数>用意するデータSIM数 となるようにデータシェアの仕組みで構成されたのが日本国内でのクラウドSIMシステムです。
https://greenwaves.jp/wifi/error2/
恐らく5Gが本格的に始まる2023年(ドコモ発表ベース)まではクラウドSIMが最もデータ単価が安いサービスであることは変わらないような気がしています。
この界隈に関しては複雑怪奇なことが非常に多いため、今後も当サイトでかみ砕いて説明していきたいと思います。