2020年9月16日追記
限界突破WiFiが新規受付を再開しました。
https://greenwaves.jp/wifi/genkaitoppa-newlimitplan300gb/
2020年7月18日追記
株式会社グッドラックが運営する「どんなときもwifi」に対する行政指導について、グッドラックから再発防止措置策の報告がありました。
https://greenwaves.jp/wifi/goodluck-gyouseishidou-houkoku/
追記:状況が大きく異なってきましたので、記事内容を最新のものに修正いたしました。
3月がクラウドSIMWiFiルーターにとっては試練の月でした。
どんなときもWIFIから始まり、限界突破WiFiまでもが通信障害に陥り繋がらなくなってしまいました。
限界突破WiFiを運営するエックスモバイル側は、どんなときもWIFIと非常に対照的な「超ユーザーファースト」の補償を打ち出してきました。
限界突破WiFiは氷川きよしさんを前面に押し出したサービスで、パケット無制限WiFiルーターでも珍しく対面でのアフターサポートが出来るということでユーザー数を伸ばしてきました。
一体クラウドSIMに何が起こっているのでしょうか?
通信障害の経緯と、エックスモバイル側が打ち出した対応について解説していきます。
https://greenwaves.jp/wifi/donnna-genkai-error/
https://greenwaves.jp/wifi/cloudsim-attention/
https://greenwaves.jp/wifi/goodluck-soumusyoushidou/
https://greenwaves.jp/wifi/softbank-sim-doukou/
【お知らせ】2022年7月1日の改正電気事業通信法施行に伴い、掲載サービスの料金プランが大きく変更されている場合があります。随時修正を行なっておりますが、最新のプランについては公式サイトをご参照くださいますようお願いいたします。
「繋がらない…」限界突破WiFiでの通信障害は3月7日から発生
ツイッターで限界突破WiFiの通信障害のツイート数が急増してきたのは3月7日の午前中からでした。
画像提供:のら様
下り・上り共に1Mbpsを割り込んでしまっており、ほとんど通信ができないような状況に陥りました。
この事態を受けてか受けずしてかエックスモバイルの木野社長のツイートが発表されました。
<お知らせ>改善/アップデートに関して
大変お待たせしました。コロナウイルスの影響で遅れておりました限界突破Wi-Fiのアップデートですが、開発人員の確保が出来ました為、現在鋭意進めております。このまま大きな問題がなければ端末アップデートを4月に行う予定です。#限界突破wifi— 木野将徳/MasanoriKino/X-mobile社長 (@MasanoriKino) March 7, 2020
やはりここでもどんなときもwifi同様にコロナウィルスの影響でということでした。
限界突破WiFiの通信障害に関しては触れられていないことがユーザーの反感を買ったようです。
その後、3月8日に一時的に解消されたようですが、翌日からも多くの「遅い…」「繋がらない」といった悲痛なツイートが続きました。
#限界突破WiFi
また低速になった。
3GBがトリガーになってるのか?
(現在3.1GB) pic.twitter.com/msoMf7puM3— ぼっくん (@bokkun_jp) March 8, 2020
中には「3GB以上で制限がかかった…」等、様々な憶測が飛び交いました。
限界突破WiFiの通信障害に対する個別問い合わせの結果、違約金免除で解約可能に
管理人は限界突破WiFi自体はデモ機で使用させていただいただけですので詳細情報は不明ですが、実際に使用している有志の提供で問合せた結果を入手しました。
以下、転載させていただきます。
通信速度に関しましては、本日(3月8日)の0時付近には改善されて下りで20Mbps以上の速度が出ていましたが、本日の日中はずっと下り1.5Mbps 以下になっており、満足に動画もみられない状況でした。
早急に対処をお願い致します。
また、サービス開始当初より不安定な状態が多々ありましたが、解約の際は料金はどこまで戻ってくるのでしょうか?
解約金のみなので、この土日のように利用料金額をどこまで戻してもらえるのか。
解約するかどうかまではまだ測りかねていますが、視野に入れています。
この問い合わせに対してエックスモバイルサポートから下記のような返信がありました。
お問い合わせありがとうございます。
エックスモバイルサポートデスクでございます。
この度はご不便をおかけしており、誠に申し訳ございません。ご解約の申請につきましては、通信が満足に利用できないご理由であれば19,800円(税込)の解除料免除にて対応させていただきます。また3月25日までの申請であれば、3月分の料金も無償にて対応させていただきます。
ご希望の方はご契約者名義を記載の上、本メールにて返信くださいませ。
この度はご不便をおかけしており申し訳ございませんでした。
何卒宜しくお願い致します。
これを受けて、再度通信制限をエックスモバイル側でかけているのか問い合わせると
お問い合わせありがとうございます。
エックスモバイルサポートデスクでございます。
通信状態につきましては、現在も原因を調査中となりますので、はっきりとした回答ができず申し訳ございません。今しばらくお待ちいただきますようお願いいたします。
以上ではございますが、その他ご不明な点等ございましたら、お気軽にご返信いただけましら幸いです。
このように、実際に通信障害の旨をサポートデスクに連絡したところ、
- 解除料免除での解約
- 3月分の利用料免除
という対応を打ち出してくれたようです。
その後、3月13日に公式ホームページで補償を発表
上記有志の個別対応の後に、通信障害発生から5日後の3月13日にエックスモバイル公式サイトで下記の補償策が発表されました。
【今後の改善(通常化)への見込み-1】
本日以降も順次、明らかに膨大又は不正な利用とみられる通信利用状況のお客様に関しましては、 利用状況の改善がみられない場合、通信をやむなく遮断するなどの措置をとらせていただく場合があり、X-mobileをご愛顧頂いている、「お支払い頂いている料金のサービス対価を受け取って頂くべきお客様」に無制限かつ、十分な速度をすぐに達成できるよう鋭意交渉、調整中でございます。【今後の改善(通常化)への見込み-2】
当然、最終的には全てのお客様が限界突破Wi-Fiを当初の予定通り、何の制限もなくご利用いただける状態になることを目指して行動しておりますが、新型コロナウイルスに端を発する不確実性の高い状況でメーカーにもご協力、活動して頂いている為、本日 2020年3月13日現在では確実なお約束ができる状況ではございません。ですが、2020年4月以降も随時、事態の改善、平常化に向けては鋭意企業努力を続ける所存でございます。以上が、現在お客様にご報告できる最新の状況でございます。
当社としても全く予期していなかった事であり、不本意な結果となっております。当然ですが、この低速化を原因とするご契約のご解約に関しましては、解約手数料を はじめとする全ての手数料を頂く事なく対応をさせていただきます。今回の不具合、低速化により、ご不便、ご迷惑をおかけしたお客様に改めてお詫び申し上げます。
引用:エックスモバイル
上記有志と同様にすべてのユーザーに対して、通信障害で低速化の影響を被ったユーザーに対して全手数料無料での解約を打ち出しました。
3月末時点でも通信障害は復旧せず…4月から上限150GBのサービスへ苦肉の変更
その後、2020年3月28日付けで改めてエックスモバイル側から公式発表がありました。
2020年4月1日より実施予定の施策を以下にご報告いたします。
もちろん、こちらは本来行いたかった施策ではありませんし、先日申し上げた通り、不本意ですが、メーカー等供給元からの突然の条件変更により、現状以下の条件が弊社に出来得る最善となります。***
月間のデータ通信量に上限はございませんが、
1日5GBまで高速でご利用頂けます。
(ベストエフォート ダウンロード150Mbpsアップロード50Mbps)
5GBを超えた場合、おおよそ、以下のスピードに変更となります。
下り4.0Mbps / 上り 1.0Mbps
また、1日10GBを超えた通信を行う場合は低速となり128kbpsのスピードとなります。
※通信量は毎日24:00にリセットされます。
***最終的には全てのお客様が限界突破Wi-Fiを当初の予定通り、何の制限もなくご利用いただける状態になることを目指して行動して参りましたが、本日3月28日現在、そちらをお約束できる状態にありません。
そのため、4月1日以降に新規で限界突破Wi-Fiにご加入いただくお客様に関しましては、
上記運用にて、通信サービスを提供させていただくことになります。
上記の運用、データ利用量、使用料で問題ないとご判断いただいたお客様におかれましては、ぜひ今後とも限界突破Wi-Fiをご利用、ご愛顧のほどよろしくお願いいたします。また、一方で当然ながら、この条件、運用ではご納得いただけないお客様におかれましては、この低速化を原因とするご契約のご解約に関しましては、2020年3月末日までにご加入いただいたお客様には、解約手数料をはじめとする全ての手数料を頂く事なく対応をさせていただきます。
また、3月のご利用環境にご満足いただけていないお客様にはお手数ですが、以下フォームをご利用いただき、ご連絡をいただけましたら、随時3月分ご利用料金の返金処理を行わせていただきます。以上が、現在お客様にご報告できる最新の状況でございます。
繰り返しになりますが、現状は当社としても全く予期していなかった事であり、不本意な結果となっております。今回の不具合、低速化により、ご不便、ご迷惑をおかけしたお客様に重ねてお詫び申し上げます。
要点をまとめましょう。
- パケット無制限撤廃
- 月間パケット通信量に制限なし
- 1日5GBまで使用可能
- 5GB~10GBまでは下り4.0Mbps / 上り 1.0Mbpsに制限
- 1日10GB以上の通信には128kbpsの速度制限
- 24時にリセット
また、上記以外には
「完全無制限で使えると聞いたから、固定回線や大手キャリアを解約して、限界突破WiFiを契約した」といったユーザーに対しては、もとの環境に戻るための費用(固定回線やキャリアの初期費用など)もエックスモバイルが負担する
引用:ITMedia
としています。
エックスモバイル木野社長の謝罪動画もYouTubeにアップされるなど、非常に誠意のある対応でした。
限界突破WiFiの通信障害の原因は何だったのか?
エックスモバイル側の公式コメントでは、通信障害の原因としては
メーカー等供給元からの突然の条件変更
としていますが、今一つピンと来ません。
昨今のどんなときもwifiの通信障害の事情を踏まえると通信障害の原因としては下記の2点が考えられます。
コロナウィルスの影響で動画ニーズが高まった結果、用意していたデータ容量を超過した
どんなときもwifiの記事でも解説しましたが、クラウドSIMWiFiルーターサービスは中国にあるuCliudlink社と代理店契約をしており、代理店側がデータを購入する形となっています。
厳密にいえば、エックスモバイルのような販売代理店とuCloudlink社との間にもう一社あると言われています。
uCloudlink社の公式サイトの画像を引用したものがコチラです。
「データ購入」と明記されています。
このビジネスモデルの場合、あらかじめユーザー全体が使用するであろうデータ量を見越して購入する形となると考えられます。
それが昨今のコロナウィルスの影響で、データ量が急増してしまったとすると…
用意していたデータ量をつかいきってしまい、低速化したというのもつじつまが合ってしまいます。
実際のところはパケット無制限のサービスはクラウドSIMwifiルーターにおいては存在しないということになります。
https://greenwaves.jp/wifi/donnnatokimo-reason/
最新の知見はこちらからご覧下さい。
https://greenwaves.jp/wifi/cloudsim-attention/
https://greenwaves.jp/wifi/goodluck-soumusyoushidou/
https://greenwaves.jp/wifi/softbank-sim-doukou/
元々の端末の不具合
かねてから当サイトでも警鐘を鳴らしていましたが、限界突破WiFiの端末は通信が不安定になりやすいという特徴があります。
これを受けて、エックスモバイル側では幾度となくソフトウェアのアップデートで対応してきましたが、おそらくはハードの問題なのか完全な解消には至っていません。
端末不具合としては
- 3G接続しかできなくなる
- 4G接続できたとしても「インターネット接続なし」となる
という2点です。
通常であればこの画像のように電波マークが2つ表示されます。
3G接続ではこれが1つしか表示されず、低速となってしまいます。
この不具合に関しては、端末の電源を入れなおすことで解消されることが多くありました。
もう一つは、インターネット接続がないと表示されることです。
これに関しては、さまざまな検証をした結果、接続機器側のLTE通信(モバイルデータ通信機能)をオフにすることで解決しました。
エックスモバイルの誠意ある対応は素晴らしい
新型コロナウィルスによるいわば”天災”ともいわれるような状況での困難に対しても、誠意を持った対応をしたエックスモバイルは今回の一件でさらに評価を上げたことでしょう。
ケータイ業界に“風穴を空けたい”
みんなのケータイ代の負担を半額にしたいという想いだけで、
偶然飛行機の隣に座っていたケータイキャリアの元経営者とともに
日本で初めての格安ケータイキャリアとして誕生したのが
X-mobile(エックスモバイル)です。
木野社長から当サイトのような比較サイト運営者に向けて発せられた言葉です。
やはり業績よりもユーザーを一番に考える理念に則った今回の対応は評価されるべきだと思います。
【公式】限界突破WiFi
パケット無制限サービスは今後どうなっていくのか
このソフトバンクSIMカード供給停止の影響は、おそらくWiFiルーター界隈全体に影を落としていくものだと考えています。
コンテンツ冒頭でも触れたように、ソフトバンク回線を使ったパケット無制限サービスや大容量サービスが次々と提供を終了しているのを見ると、もう実際に影響が出始めています。
今回の一件で、パケット無制限サービスは企業努力の元に成り立っていることが判明しました。
サービスは安さではなく、信頼で選ぶ時代になってきたということでしょうか…。