2020年8月24日追記
どんなときもwifiがパケット無制限サービスの完全終了を発表しました。
よくばりWiFiを運営する株式会社エクスゲート(東京都、代表取締役川口大輔)は2020年8月1日、同社が運営するよくばりWiFiの公式サイトにて、契約約款(やっかん)の改定について発表しました。
概要としては、昨今の通信トラフィックの増加に伴いパケット無制限でのサービスが提供できなくなったとして、2020年9月1日から1日あたり3GB以上通信したユーザーに関しては翌日まで384kbpsの速度制限を設けるとのことです。
この契約約款の大幅な条件変更に伴い、既存ユーザーに対しては解除料金免除での解約を提示しています。
【お知らせ】2022年7月1日の改正電気事業通信法施行に伴い、掲載サービスの料金プランが大きく変更されている場合があります。随時修正を行なっておりますが、最新のプランについては公式サイトをご参照くださいますようお願いいたします。
よくばりWiFi、パケット無制限終了
よくばりWiFiは2020年8月1日、公式サイトサイト上にてパケット無制限の撤廃、1日3GB以上通信したユーザーに対しては翌日まで384kbpsの速度制限を設けることをアナウンスしました。
パケット上限を設ける理由は下記になります。
2019年9月より、クラウドSIMの技術を活用したデータ通信を無制限で提供できるよう通信設備の増設を行って参りましたが、継続的な設備増強が困難となり、現在のサービスを安定的に提供することができないと判断
引用:よくばりWiFi
契約約款を変更、1日3GB以上通信したユーザーに384kbpsの速度制限
2020年9月1日以降、契約約款第29条(6)及び第31条(3)を改定することとなりました。
以下、約款の引用です。(追記並びに変更点を赤字で記載)
【第29条(6) 改定前】
第29条 (6)国内で利用の場合は、月間の通信は無制限となります。 ただしネットワーク品質の維持および公正な電波利用の観点から、違法ダウンロード等の不正利用または著しくネットワークを占有するレベルの大容量通信をされた場合、該当の契約回線に対し通信速度を概ね384Kbpsに制限することがあります。【第29条(6) 改定後】
第29条 (6)国内で利用の場合は、ネットワーク品質維持のため1日の通信量が3GB以上となった場合、通信速度を概ね384Kbpsに制限します。通信速度制限は日本時間の午前0時に解除されます。1日の利用量が3GB未満の利用日であっても翌日への容量繰越はできません。 また公正な電波利用の観点から、違法ダウンロード等の不正利用または著しくネットワークを占有するレベルの大容量通信をされた場合、該当の契約回線に対し通信速度を概ね384Kbpsに制限することがあります。引用:よくばりWiFi
※よくばりWiFiのサービス契約約款全文はこちら
このようにサービス契約約款を変更することで、1日3GB以上通信したユーザーに速度制限をかけることが明記されることとなります。
第31条(3)の変更理由は不明
【第31条(3) 改訂前】
第31条 (3)第52条(契約者の義務)の規定に違反したと当社が認めたとき。【第31条(3) 改訂後】
第31条 (3)第51条(契約者の義務)の規定に違反したと当社が認めたとき。引用:よくばりWiFi
※よくばりWiFiのサービス契約約款全文はこちら
また、合わせて改訂される第31条(3)については単純に以前の約款の記載の参照が誤っていたためとも受け取れます。
第31条では、よくばりWiFi側が該当する条件を満たすときにその利用を停止できるとする内容を記しています。
旧約款では第52条を利用停止の理由としていましたが、新約款では第51条に変更となっています。
約款改訂で違約金免除での解約を提示
約款改訂によるパケット上限を設けることに際して、既存ユーザーの不満に配慮する形で下記2つの特別措置が取られます。
- 2020年9月ご利用分より基本料金永年100円割引
- 2020年9月以降のご解約に伴う解除料金免除
※解約時の端末返却義務なし
継続したユーザーに関しても永年解除料免除となります。
画像:よくばりWiFi
契約を継続すると基本料金が3,350円(永年)に割引
- 2020年9月ご利用分より基本料金永年100円割引
何もアクションを起こさずに契約するユーザーに関しては、自動的に月額基本料金が現在の3,450円から3,350円へ変更となります。
なお、某Youtuberとのコラボ企画で申し込み、縛り期間なしの特別料金で使用しているユーザーに関しては現時点ではアナウンスはありません。
残念ながら月額3,350円で月間100GB以下という条件よりももっと安価なサービスが存在(最安値保証WiFi など)するため、ユーザーの引き留めにはならないことが考えれられます。
違約金免除での解約は当月手続きで当月解約可
- 2020年9月以降のご解約に伴う解除料金免除
※解約時の端末返却義務なし
本来であれば解約申請の翌月末で解約となりますが、8月25日までの申請で8月末での解約が可能となります。
8月26日以降の解約申請に関しては通常通り翌月末での解約となる点については注意が必要です。
例)
ご解約申請日:2020年8月25日→解約日:2020年8月31日
ご解約申請日:2020年8月26日→解約日:2020年9月30日
ご解約申請日:2020年9月 1日→解約日:2020年10月31日
引用:よくばりWiFi
よくばりWiFiがパケット上限を設けることになった理由
よくばりWiFiがパケット無制限の撤廃に踏み切った背景には3つの理由があると考えられます。
- どんなときもwifiに対する行政指導
- 月間通信トラフィックの増加
- 継続した設備増強が困難になった
やはり根幹にあるのは、2020年6月19日に実施されたどんなときもwifiに対する行政指導でしょう。
この中で総務省は、どんなときもwifiだけでなく他のパケット無制限を謳う通信事業者に対しても是正を行うべきという見解を示しました。
これを踏まえてパケット無制限を謳う各社は条件変更など対応に追われていることと思われます。
いち早く動いたのは株式会社hi-hoです。
既存のパケット無制限サービスを撤廃し、パケット上限を設けた新サービスをリリースしています。
また、通信トラフィックの増加に関しては、よくばりWiFiの公式サイトにて
2020年3月の平均トラフィック(通信量)に比べ2020年5月の平均トラフィックが1.7倍
となったとしてます。
これに加えて、X社SIMカードの卸値の高騰、SIMカード1枚当たりの月間100GBにパケット上限が引き下げられたことで、事業としての採算が取れなくなったことと考えられます。
よくばりWiFiはリリース当初からトリプルキャリアを謳わず、敢えてソフトバンク回線一本で勝負してきました。
これは今考えれば速度低下を伴うドコモ・auのMVNOSIMを使用しないことでユーザーに配慮した形だったことが分かりますが、これが今回裏目に出てしまった印象です。
クラウドSIMはSIMプールと呼ばれる機器に物理SIMカードを挿入し、その合計容量をシェアする仕組みとなっています。
月末にかけて通信障害が頻発していたのは、この合計容量を超過しデータ容量が枯渇して且つ、新たにSIMカードを増設出来なかったためでしょう。
またこのSIMカードの上限容量、卸値が高騰し、パケット無制限を謳うには無理が来てしまったということだと考えられます。
8月は激動の1か月となりそう
7月末にかけて、NomadSIMの300GBプランが低速化によって終了、フジワイファイのSIM200GBプランが強制100GBに引き下げ、それがだいじWiFiが月間100GBにパケット上限引き下げ、どんなときもwifi・ゼウスwifi・THE WiFi・ポケット型モバイルクラウドがパケット上限ありプランを検討中…など非常に動きが多かった印象です。
8月はそれを超える激動の1か月になると考えています。
X社SIMカードの卸値とパケット上限は100GBでとりあえずのところ止まっています。
どんなときもwifiの行政指導を受けて、クラウドSIMWiFiルーター提供各社はパケット上限ありへのシフトしてくるでしょう。
恐らくは月間150GB程度で足並みをそろえてくると予想しています。
今後も当サイトではこの界隈の情報を追っていきたいと思います。