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ZEUS(ゼウス)WiFiの仕組みが一部判明したが不透明な部分も多くありークラウドSIMwifiルーター不安を受けて

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2020年11月9日追記

ZEUSWiFiでデータチャージ機能が追加されました。

https://greenwaves.jp/wifi/zeus-wifi-add-datacharge/

2020年11月26日追記

パケット上限ありの新プランでの速度調査結果を公開しました。

https://greenwaves.jp/wifi/zeus-wifi-speedtest/

ケータイWatch様の取材により、株式会社Human Investment(本社茨城県つくば市、以下ヒューマン)が運営するクラウドSIMwifiルーター「ZEUS WiFi」の仕組みの一部が明らかになりました。

参考:「使い放題」なモバイルルーターの仕組みとは――ゼウスWiFiとuClodulinkに聞く

この記事を受けて、管理人の私見をお伝えします。

https://greenwaves.jp/wifi/zeus-wifi-interview2/

【公式】ゼウスWiFi

\公式サイトをCHECK!/
ゼウスWiFi

【お知らせ】2022年7月1日の改正電気事業通信法施行に伴い、掲載サービスの料金プランが大きく変更されている場合があります。随時修正を行なっておりますが、最新のプランについては公式サイトをご参照くださいますようお願いいたします。


 

ZEUS WiFiの仕組み

ゼウスWiFiは、同クラウドSIMの仕組みを使ったレンタルwifiルーター「どんなときもwifi」や「限界突破wifi」の通信障害が判明した後の2020年3月31日より開始されたクラウドSIMWiFiルーターのレンタルサービスです。

【公式サイト】ZEUS WiFi

(現在は新規申し込みを停止中)

ケータイWatch様のヒューマン社長へのインタビューでは、ヒューマンが提供するゼウスWiFiは他のクラウドSIMWiFiルーター提供会社とは異なり、自社がMVNOとしてドコモ回線のSIMカードを調達しているという点で、他のクラウドSIMWiFiルーターを提供している事業者との違いを強調しています。

恐らく、「自社で調達した」という点を見ると、本来であれば他のSIMカードは自社ではなく、代理店等自社以外の事業者から調達していることが考えられることから、ヒューマンや他事業者に関しては2次販売代理店となり、他キャリア等からSIMカードを調達する事業者に関しては1次販売代理店が存在することを示唆しています。

この自社で調達したドコモ回線MVNOのSIMカードと、自社以外で調達したSIMカードを「クラウドSIMサーバー=SIMプール」に挿して、運用しているようです。

SIMプール(SIMバンク)イメージ

 

画像引用:ITMedia

以前から当サイトでは、「クラウドSIMは限りあるデータ容量をシェアするような形のビジネスモデルであり、総容量を超過した場合は一律通信ができなくなる」とお伝えしてきましたが

板垣氏は「わかりやすく言えば、クラウドSIMとMVNOとして調達する回線で用意した帯域を、当社のユーザーさん同士で共有する、いわばデータシェアを実現している」と説明する。

引用:ケータイWatch

という発言で、これが裏付けられました。

実は「パケット無制限」「使い放題」ではなかったクラウドSIMWiFiルーター

また、同インタビューでは

同氏によれば、uCloudlinkのプラットフォームにおいて、ユーザーの通信量をモニタリングできるインターフェイスが用意されており、ヒューマンのスタッフがその動向を常にウォッチ。運用ポリシーに基づき、適宜、通信速度を制御し、全体のトラフィックのボリュームをコントロールするのだという。

つまり、限りある容量を、使い方の異なるユーザー同士を組み合わせることで使い放題を実現させていることになる。大手携帯会社の使い放題と比べて安い分、通信量が多いユーザーは通信速度が制御される。

サービス開始から間もないため、通信速度の制限基準は、まだ定まっていない。今後、明確な基準を定めるようになればその基準は開示されることになりそうだ。

としています。

ここで着目したいのは

  • 限りある容量を、使い方の異なるユーザー同士を組み合わせることで使い放題を実現
  • 通信量が多いユーザーは通信速度が制御される

という点です。

当然、どんなときもwifiのようにユーザーの急増やトラフィックの増大を制御できなければ、同様の通信障害に陥るのは目に見えています。

それを制御するため=限りある容量を契約ユーザーでシェアするために「コントロール」しているということは、事実上パケット無制限ではないということになります。

「通信速度を制限」すれば、1秒間のダウンロード/アップロードする通信容量が減少し、その結果として全体の通信量が削減できます。

中品質の通信速度で使い放題が役に立つケースは

低速で使い放題というと、ロケットモバイルというMVNOサービスが有名です。

低速でも使えるサービス

ロケットモバイルの「神プラン」は下り速度最大200kbpsで使い放題です。

ただし、200kbpsで出来ることは限られてきます。

低速通信で出来ること
  • LINEやメール等のテキストメッセージの送受信
  • radikoなどミュージックストリーミングサービスを聞く
  • GoogleMapの使用
  • IoT機器の自宅外からの操作

上記のような用途で使うのであれば、なにもクラウドSIMWiFiルーターを使用しなくてもその10分の1の価格で使い放題が実現できます。

低中品質でも使える=動画のストリーミングサービスなど

Youtube等の動画のストリーミングでは下記の通信速度が必要となってきます。

動画の解像度 推奨される持続的な速度
4K 20 Mbps
HD 1080p 5 Mbps
HD 720p 2.5 Mbps
SD 480p
(標準画質)
1.1 Mbps
SD 360p 0.7 Mbps

参考:Youtube

このように標準画質で見るためには少なくとも1.1Mbps程度の速度が必要となってくることから、「中品質」というのであればこれ以上の通信速度が求められます。

一方で、楽天モバイルMNOやドコモMNOの回線では、パケット上限に達した後も1Mbps程度の速度が出るため、SD360p程度の画質であれば視聴は可能です。

スマホの小さい画面で動画視聴がしたいのであれば、低速化しても1Mbps程度の速度が出るドコモ・楽天モバイルを選べば、WiFiルーター無しでも事足りるでしょう。

中品質でも使えるサービス…?

ZEUS WiFiの通信速度に関しては、クラウドSIM内のキャリア回線(=ツイッター上の口コミでau/ソフトバンク回線は確認、ドコモは未確認)に繋がれば概ね30Mbps程度の速度が出るようですが、それ以外のMVNO回線に繋がった時は、SIMカードや時間帯にもよりますが~5Mbps程度の速度となることが多いようです。(同ツイッターの口コミ参考)

この~5Mbps程度という速度は実に悩ましい速度です。

自宅の大画面テレビでYoutubeの1080p画質を楽しめる程度ですが、ゲームのダウンロード目的やテレワーク用途で使うにはやはり少し心もとない速度です。

参考までにSkypeでは、3人でのビデオ通話の場合は最低2Mbps、5人では下り4Mbps、7人では下り8Mbpsの通信速度が必要です。

参考:Skypeヘルプ

ただし、zoomのビデオチャットであれば、低速でも通信が可能と言われていますので、ビデオチャットに関してはゼウスwifiでも問題ないでしょう。

引用:zoom

https://greenwaves.jp/wifi/telework/

それなりの通信速度=中品質で使い放題なのであればまず明記すべきでは

板垣氏は「当社は、いわば航空会社におけるLCCのような存在です。すでに高品質なサービスとして大手の携帯電話会社さんのサービスがあります。ゼウスWiFiは高品質よりも“中品質”なサービスを提供したい」と説明する。

ゼウスWiFiに通信量の制限はない。しかし「中品質」で「使い放題」を実現するため、一定のトラフィックになったユーザーの通信は制御され、速度が抑えられる。

このように、クラウドSIMWiFiルーターは「シェアプラン」のような仕組みとなっているため、限られた容量をやりくりするパケット有限サービスに他なりません。

クラウドSIMWiFiルーターを提供する各社はこの事実を公表せず、現在も「パケット無制限で使い放題」と記述しているように思います。

大々的に「パケット無制限」を謳って、固定回線が引けない賃貸物件に住んでいるユーザーが固定回線代わりに契約するケースも多く聞かれており、そうしたユーザーにとっては恐らく「快適な速度」とはいいがたいでしょう。

昨今では文部科学省が「GIGAスクール構想」を現実のものとしつつあり、それに伴うオンライン授業もスタートしてくるでしょう。

大阪府はそれに先駆けて、2020年6月末までに各府の学校にオンライン授業態勢を整えるよう要請しました。

やはり、インターネット環境がない家庭には、開通まで時間がかかる固定回線ではなく、レンタルwifiルーターの導入が現実的でしょう。

https://greenwaves.jp/wifi/osaka-wifi-koubo/

上記記事でも書きましたが、ここで不透明な仕組みのクラウドSIMWiFiルーターが採用されてしまうのが管理人が一番恐れていることです。

クラウドSIMWiFiルーターの仕組みとリスク、デメリットを理解・同意した上で使用するのと、何も知らないまま使うのでは着地点が大きく異なります。

このゼウスWiFiが公表したことを機に、クラウドSIMWiFiルーターを取り扱う各社も透明性が分かるよう公表していただきたいです。

また、ゼウスWiFiに関しては、この事実を是非とも公式サイト上で発表し、今後契約するユーザーや既存ユーザーに対してしっかりと説明と同意をもらっての運用を望みます。

【公式】ゼウスWiFi

\公式サイトをCHECK!/
ゼウスWiFi

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GreenWaves著者情報

河村 亮介のアバター 河村 亮介 GreenWaves責任者/事業代表

スマートフォンの乗り換え案内と通信費用節約の専門家です。キャリア・格安スマホに関する知識をはじめ、モバイルWi-Fiルーターや固定回線など通信関連全般に精通しています。専門知識を活かし、UQ WiMAX公式メディアへの寄稿など、様々な媒体で回線系記事の執筆・監修を手がけます。WEBサイト運営事業GreenEchoes Studio代表。プロフィールは一番左のリンクマークからご覧頂けます。