ドコモahamo対抗策 格安スマホ各社も20ギガ/2000円台で調整へ|MVNO卸接続料金は下がらぬまま
2021年1月5日、日本経済新聞は「格安スマホ、20ギガ月2000円軸に HIS系も新プラン ドコモの値下げに対抗」と報じ、2021年3月からドコモが開始する新プラン「ahamo」に対抗すべく新料金プランを準備していることが明らかになりました。
Source:格安スマホ、20ギガ月2000円軸に HIS系も新プラン(日本経済新聞)
MVNO各社、ahamoより安い月間20GBプランを2000円で提供
日経新聞で新たに値下げが判明したMVNOはHISモバイルとY.U-mobileの2社。
そのほか日本通信に関しては既にアハモ対抗プランを月間上限16GB/1,980円(※今後20GBへ増加)で発表しており、mineoやIIJmioに関しても新プランを検討していると報じられています。
HISモバイル、Y.U-mobileが20GB/2,000円程度を軸に調整
日経新聞によると、エイチ・アイ・エス(HIS)の子会社が運営するH.I.Sモバイルは無料通話付き、月間データ容量を20GB/月額2,000円で調整しており、新プランに関しては2月までに始めるとのこと。
また、USEN-NEXT HOLDINGSとヤマダホールディングスが出資するY.U-mobile(東京・品川)に関しても、動画配信「U-NEXT」(月額1990円)を含む月間20GBの「シェアプラン」の料金を月額5990円から4000円程度に引き下げる見込みで、追加パケット(10GB)も2400円から1500円に引き下げるとのことです。
HISモバイル新プランは現在15GB/3,720円(248円/GB)で提供しているところ、20GB/2,000円(100円/GB)となるため、データ単価では150円近くも値下がりすることとなります。
また、Y.U-mobileでは上記シェアプランを現在では5,990円で提供しているところ、4,000円程度に引き下げることとなり、動画配信分(1,990円/月)を差し引いた価格で計算するとデータ単価で100円近く値下がりすることとなります。
mineoやIIJmioに関しても新プランを検討
マイネオ(mineo)に関しては、現在3GB/月額1,600円、IIJmioに関しても同様に3GB/月額1,600円で提供している。
上記2社に関してはまだ具体的なパケット上限や月額料金について発表はありませんが、新プランを検討しているとのことです。
選別の進む格安スマホ業界|心配されるのは運営体力が続くかどうか
日経新聞によると
契約数3万回線以上を持つ国内の主要格安スマホ事業者は60社以上
としており、MM総研(東京・港)の調査では、日本の携帯電話の契約数1億8625万回線のうち、MVNO市場は約8%としています。
MVNO|自社で通信網を持たず、キャリアから回線を借用して通信事業を展開している事業者のこと
MVNO卸接続料金が下がらない中での値下げ
武田総務大臣は2020年12月8日の記者会見でMVNOについても言及しており、格安スマホのMVNO(仮想移動体通信事業者)が大手通信会社に支払う接続料について「低廉化は公正競争を導く上で絶対条件。しっかりサポートしたい」と述べています。
参考:https://www.soumu.go.jp/menu_news/kaiken/01koho01_02000972.html
総務省が発表した「アクションプラン」では2020年度比較で3年間でMVNOがキャリアに支払う回線接続料金を半減することを目標としていますが、執筆時点ではキャリア各社から卸料金の値下げの報道はありません。
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現時点でのMVNOへの卸料金は下記のようになっていることと思われます。
帯域不足による速度低下が懸念される
現在のままではキャリアの格安プランにMVNOユーザーが流出するのは火を見るより明らかです。
それを見越してか、同条件で月額費用の安いプランを打ち出してきたことと思われますが、上記のように回線接続料金は下がっていません。
MVNOは「原価」が決まっているため、無理な値下げは経営状態の悪化を招く可能性があります。
また、安価なプランを打ち出してユーザーが急増することで、限られた借用帯域にユーザーが集中することで混雑時間帯の通信速度が低下する恐れもあります。
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