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オンライン授業は授業時数や単位取得にカウントされない?小中高等学校で異なる解釈

(本コンテンツは文部科学省ホームページ等を参考に制作しています。初回投稿時は2020年6月9日となっていますが、大きく内容が変更されたという話は聞いておりません。有識者の方でご意見があれば頂戴できたら幸いでございます。)

新型コロナウィルスに伴い、3密を避けるために「オンライン授業」という言葉が盛んに聞かれるようになってきました。

しかし、小中学校においては「教師の授業を生徒・児童が自宅で情報端末を通して受ける」という行為自体が、一定の条件を満たさないと「授業時数」としてカウントされないということに関しては知らない教職員の方も多いのではないでしょうか。

高等学校については、また様相が異なるようです。

本記事ではこの「オンライン授業を巡る文部科学省の解釈」について解説していきます。

要点まとめ
  • 小学校・中学校での「授業」の定義は「教師は生徒を指導できる状況にある必要があり、教室にいることが原則」となっていることからオンライン授業は授業時数としてはカウントされない可能性が高い。よってオンライン授業といってもただの家庭学習としてみなされるものと思われます。→ただし教師が当該家庭学習における児童生徒の学習状況及び成果を適切に把握することが可能であれば再度指導する必要はないとされているため、何かしらのペーパーテストでオンライン授業の成果が確認できれば再学習の必要はない
  • 高校に関しては新型コロナウィルス感染症による臨時休校等でオンライン授業を受けざるを得なくなった場合、36単位以上の算定が可能
この記事の執筆者

河村亮介(カワムラリョウスケ)

ポケットWiFi選びの専門家

通信費節約専門家

「あなたにぴったりのサービスを」をコンセプトに活動するモバイルルーター選びの専門家。複数メディアでの執筆監修も担当。利用者のニーズに沿ったサービス提案が得意。通信費用の削減・節約を進めたい。回線系比較サイト「GreenWaves」運営/WEBサイト運営事業GreenEchoes Studio代表

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学習指導要領において、小中学校では「授業時数」が定められている

すでにご存じのことかと思いますが、学習指導要領によって、小中学校は学習すべき「授業時数」が定められています。

引用:小学校学習指導要領(文部科学省)/中学校学習指導要領(文部科学省)

学年必要授業時数
小学校第1学年850
小学校第2学年910
小学校第3学年945
小学校第4学年980
小学校第5学年980
小学校第6学年980
中学校第1学年1015
中学校第2学年1015
中学校第3学年1015
※小学校の場合、1単位時間は45分/中学校の場合は50分

授業時数の原則は「教師が指導できる状況」で「教室」にいること

実は授業時数としてカウントするには

授業時数としてカウントする場合、教師は生徒を指導できる状況にある必要があり、教室にいることが原則です。

引用:学習指導要領「生きる力」FAQ (小・中学校)問1−4

とされています。

オンライン授業は授業時数としてカウント出来ないのか?

冒頭で挙げたような「教師の授業内容を生徒・児童が自宅で受ける」ような形態でのオンライン授業に関しては、授業時数としてはカウント出来ないことになります。

よって、上記のような学習方法はあくまでも「自宅学習・家庭学習」に他なりません。

オンライン授業を授業時数としてカウントするのであれば、例えば40人クラスを3グループに分けて、A教室では教師+児童または生徒で授業、B教室とC教室では教員に代わる指導員を配置した上でA教室の授業をスクリーンに投影する、もしくは情報端末に表示させるなどして授業を受けていただく必要があると考えます。

授業時数としてカウント出来なくてもペナルティはない

一見すると、授業時数を満たしていないことで、何かしらのペナルティがあるように思えます。

しかし、新型コロナウイルス感染症に対応した持続的な学校運営のためのガイドラインによれば

新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業により,学校教育法施行規則に定める標準授業時数を踏まえて編成した教育課程の授業時数を下回ったことのみをもって,学校教育法施行規則に反するものとはされない

とされています。

また、

学校が課した家庭学習が以下の要件を満たしており、児童生徒の学習状況及び成果を確認した結果、十分な学習内容の定着が見られ、再度指導する必要がないものと学校長が判断したときには、学校の再開後等に、当該内容を再度学校における対面指導で取り扱わないこととすることができること。

<要件>
① 教科等の指導計画に照らして適切に位置付くものであること。
② 教師が当該家庭学習における児童生徒の学習状況及び成果を適切に把握することが可能であること。

この場合、学級全体の学習状況及び成果に鑑み再度授業において取り扱わないこととする場合であって、一部の児童生徒への学習の定着が不十分である場合には、別途、個別に補習を実施する、追加の家庭学習を適切に課すなどの必要な措置を講じること。
なお、新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業により、学校教育法施行規則に定める標準授業時数を踏まえて編成した教育課程の授業時数を下回った場合には、そのことのみをもって学校教育法施行規則に反するものとはされないこと。

引用:新型コロナウィルス感染症対策のための臨時休業等に伴い学校に投稿できない児童生徒の学習指導について(通知)

とされており、家庭学習(=この場合は前述のオンライン授業も含まれることとします)において、十分な学習内容の定着が図れていた場合には、再度指導する必要はないとされているため、授業時数としてカウントされてなくても問題がないように思いますが、卒業要件を満たすかどうかについては有識者の判断を仰ぎたいところです。

ただし、その評価方法については「教師が当該家庭学習における児童生徒の学習状況及び成果を適切に把握することが可能であること」とされているため、何かしらのペーパーテストを受けてもらい、学習の成果を点数化するなどして教員側が評価する必要がある可能性があります。

高等学校は単位制のため状況は異なるか

ここまでの話はあくまでも小学校・中学校における「オンライン授業についての考え方」です。

高等学校では、授業時数という考え方ではなく、「単位制」を取っています。

引用:高等学校学習指導要領(文部科学省)

※上記は2022年の新指導要綱

これによると

1単位時間を50分とし,35単位時間の授業を1単位として計算することを標準

とされており

卒業までに修得させる単位数は,74単位以上とする。

となっています。

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ただし、この単位取得制限については緩和されることとなっています。

学校教育法施行規則によるオンライン授業への規定

校教育法施行規則では第八十八条の三によると 

第八十八条の三 

高等学校は、文部科学大臣が別に定めるところにより、授業を、多様なメディアを高度に利用して、当該授業を行う教室等以外の場所で履修させることができる。

引用:学校教育法施行規則

としていますが第九十六条では

第九十六条

校長は、生徒の高等学校の全課程の修了を認めるに当たつては、高等学校学習指導要領の定めるところにより、七十四単位以上を修得した者について行わなければならない。ただし、第八十五条、第八十五条の二又は第八十六条の規定により、高等学校の教育課程に関し第八十三条又は第八十四条の規定によらない場合においては、文部科学大臣が別に定めるところにより行うものとする。
2 前項前段の規定により全課程の修了の要件として修得すべき七十四単位のうち、第八十八条の三に規定する授業の方法により修得する単位数は三十六単位を超えないものとする。

引用:学校教育法施行規則

としています。

要するにオンライン授業では36単位以上の取得は認められないということになります。

残念ながら筆者の調べにおいては、小中学校のような「授業時数としてカウントできるのは教師がすぐに指導できる環境で且つ教室にいる」という文言は確認できませんでしたが、小中学校のそれと高校の単位取得に関しては、オンライン授業に関しては若干寛容な印象です。

ただし、この36単位制限に関しては、4月10日付け発表の通知の中で

新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業等に伴い、やむを得ず学校に登校できない状況にあった児童生徒について、各学年の課程の修了又は卒業の認定等に当たっては、弾力的に対処し、その進級、進学等に不利益が生じないよう配慮すること。

なお、高等学校においては同時双方向型の遠隔授業の方法により授業を履修することができ、当該方法により修得する単位数は 36 単位を超えないものとする制度があるが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、休業が長期化し教育課程の実施に支障が生じる事態に備えるための特例的な措置として、4.に基づき、3.の対象となる新型コロナウイルス感染症対策のための臨時休業等に伴いやむを得ず学校に登校できない生徒が同時双方向型のオンライン指導を通じた家庭学習を行い、学校の再開後等に当該内容を再度学校における対面指導で取り扱わないこととした場合については、上記制度に依らずに実施するものであることから、上記の単位数の算定に当たって考慮する必要はないこと。

引用:新型コロナウィルス感染症対策のための臨時休業等に伴い学校に投稿できない児童生徒の学習指導について(通知)

生徒が同時双方向型のオンライン指導を通じた家庭学習を行い、学校の再開後等に当該内容を再度学校における対面指導で取り扱わないこととした場合については、上記制度に依らずに実施するものであることから、上記の単位数の算定に当たって考慮する必要はない

としており、臨時休校下においてはオンライン授業に対しても36単位以上算定してもいいということになっています。

一方で、新潟日報の記事によると、高校授業でもやはり「配信を受ける側の教室に教員を配置する必要がある」とされており、臨時休校下以外でのオンライン授業を受ける際にはやはり小中学校と同様の環境で授業を受けないと単位認定は困難ということが考えられます。

私立高校と公立高校ではすでに学習の差が目立つ

2020年5月13日付の日本経済新聞の記事では、オンライン授業の環境の違いから、私立高校と公立高校ではすでに学習に差が出てきていると報じられています。

文部科学省は4月、オンライン授業の基盤としてパソコン「1人1台」の環境を全国の小中学校で今年度中に実現するための予算を計上しましたが、義務教育ではない高校はこれの対象外となっていることから、各自治体が臨時交付金を使ってオンライン授業環境を整備することとなりそうです。

同記事では

LINEの調査サービス「LINEリサーチ」が4月中旬、全国の高校生約900人に実施したアンケートで、通っている学校でオンライン授業が取り入れられていると答えたのは14%。国公立が9%だったのに対し、私立は26%だった。

となっており、やはり経営上使いやすい予算のある私立高校のほうがオンライン授業の導入がスムーズに行えている現状があるようです。

公立高校は独自の整備を進める必要があるか

このように、既に差が出てきている現状を踏まえると、公立高校もオンライン授業ができる環境を整備していく必要がありそうです。

「GIGAスクール構想」に伴う校内通信ネットワーク整備事業では、校内LANの整備に上限3000万円を整備補助金として計上していますが、算定割合は1/2となっており、無線LANを配備する電源キャビネットの整備については、義務教育ではない高等学校は除外となっています。

参考:令和2年度補正予算概要説明

公的事業ということもあり、対象事業者の競売入札等を経てからの導入となるため、これを待っていては差が広がっていくことは目に見えています。

やはり、事前の対策として、独自の整備を考えていく必要がありそうです。

学校再開に伴う感染症対策・学習保障等に係る支援経費として計上されている405億円の内訳として、「学校における感染症対策への支援」が盛り込まれています。

これは

学校の感染症対策等を徹底しながら子供たちの学習保障をするため、新たな試みを実施するに当たり、校長の判断で迅速かつ柔軟に対応

できるものとしてあるため、「3密を避ける」という名目であれば、通信インフラの整備としても活用できる可能性があります。

参考:令和2年度文部科学省第2次補正予算(案)事業別資料集

まとめ

このように「オンライン授業」といっても、小中学校・高校では様相が異なっているようです。

特に高校では大学進学に関わる重要な学習フェーズのため、新型コロナウィルスによる臨時休校等により登校が出来なくなる可能性を加味して、オンライン授業環境を一刻も早く構築する必要があるでしょう。

そうなってくると、学校側や授業を受ける生徒児童側でもオンライン授業が出来る体勢の構築が急務となります。

光回線に関しては工事が必要となるため開通までに時間がかかるためあまり現実的ではないため、届いたら工事不要でインターネット環境が手に入る「モバイルルーターサービス」の導入を検討しましょう。

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必要通信速度:上り下り6Mbps以上

また、1時間あたりの通信量は1時間で0.7ー1.0GB程度となるため1日6時間の授業では6GB、1ヶ月の授業日数を20日とすると120GB以上の月間データ通信量が必要です。

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