楽天モバイルが1GBまで0円プラン廃止の改悪|解約・乗り換え先で代わりにおすすめできる携帯電話事業者は?
解約も検討しようかな…。
SNSではそんな声も多く聞かれています。
2022年5月13日、楽天モバイル株式会社は楽天モバイルの新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」(読み:ラクテン アンリミット セブン)を発表しました。
それまで提供してきた「Rakuten UN-LIMIT VI」プラン利用ユーザーは自動的に新料金プランへ変更されます。
SNSで落胆の声が聞かれたのは「月間1GB以下の場合の料金」が理由です。
それまで月間利用パケット量が1GB以下だった場合「月額0円」で利用可能でしたが、自動移行される新プランでは「0GBから3GBは1,078円(税込)」となったため、事実上の「改悪」となってしまいました。
新プランは2022年7月1日からスタートし、既存ユーザーは2022年10月1日から自動的に新プランへ切り替わるため「月額0円」を目的に乗り換えたユーザーの解約者が多数出る可能性も考えられます。
情報参照元:楽天グループニュースリリース
河村亮介(カワムラリョウスケ)
スマホ乗り換えアドバイザー
通信費節約専門家
「あなたにぴったりのサービスを」をコンセプトに活動するスマホ乗り換えアドバイザー。複数メディアでの執筆監修も担当。利用者のニーズに沿ったサービス提案が得意。通信費の削減・節約を進めたい。回線系比較サイト「GreenWaves」運営/WEBサイト運営事業GreenEchoes Studio代表
「ぶっちゃけ、0円でずっと使われても困る」楽天モバイル三木谷社長
新プラン発表があった同日、楽天グループは2022年度第一四半期決算を発表しました。
その中で同社代表取締役会長兼社長 最高執行役員の三木谷浩史氏は、楽天モバイルの新プランについて「ぶっちゃけ、0円でずっと使われても困る」とコメントしました。
- 記者:0円のユーザーがいなくなって、熱量のあるユーザーがとどまる。ビジネスとしての質を上げるというように、少し経営のギアが変わってきたと考えるべきなのか、そのあたりはどうなのか
-
三木谷氏:ぶっちゃけそういうこと。まあ、お金を0円でずっと使われても困っちゃう、というのがぶっちゃけな話かな。すごく正直に言って
楽天モバイルは「第4のキャリア」としてスタートした最も後発組の「自社回線網」をもつ携帯電話事業者です。
屋内でつながりやすいとされる「プラチナバンド」の割り当てがない中でKDDIローミング回線と併用して自社回線エリアを急ピッチで拡大、2022年2月時点での4G人口カバー率が96%となりました。
また、2022年2月時点での契約者数はMNO・MVNO合算して550万件を突破するなど好調に見えていた側面もあります。
これまでにも「1年間無料キャンペーン」で契約者数の獲得増を目指してきましたが、基地局の整備費用やローミング回線の借用費用などが重なり赤字(21年12月期の連結決算(国際会計基準)は最終損益が1338億円の赤字)が膨らんできているのも事実です。
今回の大幅な値上げは楽天グループとしての目標である携帯事業の2023年中の単月黒字化に向けて大きく舵を切った形となります。
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楽天モバイル0円廃止で代わりの乗り換え先を検討するユーザーの特徴
筆者は楽天モバイルの解約乗り換えを検討するユーザーの特徴をこのように分析します。
- 月間1GB以下で安価にスマートフォンを維持したいユーザー
- 「通話無制限」が0円で手に入ることにメリットを感じていたユーザー
- DSDV運用で通話専用回線として利用してきたユーザー
- サブ回線として維持費無料をメリットに感じていたユーザー
携帯電話料金を一覧で比較をしたい方はデータベースをご覧ください。
月間1GB以下で安価にスマートフォンを維持したいユーザー
2022年5月時点で、「月間通信量が1GB以下で0円で維持できる」携帯電話会社は楽天モバイル以外には存在しません。
新料金プラン発表時には、0円を廃止する理由について「電気通信事業法に抵触する」というコメントもあったことから、やはり問題があったという側面も大きいのではないでしょうか。
代わりの乗り換え先として有望なのはpovoやOCNモバイルONEなど
最近ではNTTグループのMVNO「OCNモバイルONE」からは、ドコモショップでも申し込みができる「500MB /月コース」が月額550円(税込)/10分間無料通話付きでリリースされている他、HISモバイルからは月間通信量が100MB未満であれば月額290円(税込)で維持できる新プランのリリースも5月中旬に控えています。
また、KDDIが提供するオンライン専用プラン「povo」では基本利用料金が「0円」となっており、データ容量トッピングを1回実施すれば180日間はトッピングなしで利用できるため、少々管理難易度が上がりますが柔軟な選択ができるという意味では有用な乗り換え先と言えるでしょう。
流石に「0円」で維持できる事業者はありませんが、現在であれば低価格でスマートフォンを維持したい人にとって複数の選択肢が用意されています。
「通話無制限」が0円で手に入ることにメリットを感じていたユーザー
「Rakuten UN-LIMIT VI」は月間パケット利用料に関わらず、Rakuten Linkアプリを用いた通話であれば一律「0円」となっていたため、音声通話が無料でかけ放題ということを魅力に感じて契約した方も多いでしょう。
最近ではドコモ回線を用いているMVNO各社が通話無制限プランを導入してきており、乗り換え先としてはそれらが受け皿になると考えています。
代わりの乗り換え先として有望なのはIIJmioなど
MVNO大手の「IIJmio」では2022年5月31日まで申し込みのユーザーを対象に通常月額1,400円(税込)のかけ放題オプションを13ヶ月間月額410円(税込)割引となる「通話定額オプション割引キャンペーン」を実施しているため、こちらであればOCNモバイルONE(かけ放題は月額1,430円(税込))よりもお得に利用できるでしょう。
DSDV(デュアルSIM)運用で通話専用回線として利用してきたユーザー
最近では「2枚のSIMカードが同時に待ち受けできる」機能を持ったスマートフォン=DSDV(デュアルシムデュアルVoLTE)を利用して、通話専用SIMとデータ通信専用SIMを組み合わせて利用するケースがあります。
AndroidのSIMフリースマートフォンでは海外メーカーだけでなく国内メーカーもこの仕様を取り入れてきており、通信費節約に熱心なMVNOユーザーを中心に人気を集めているのです。
楽天モバイル回線は維持費0円で「かけ放題」を実現できるため、DSDVユーザーの通話専用SIMとして利用される機会が多く見られていますが、有料となることで上記のようにかけ放題が安価なMVNOに流れる可能性も考えられるでしょう。
サブ回線として維持費無料をメリットに感じていたユーザー
「サブ回線」の定義は明確ではありませんが、メインのSIMカードの月間パケット容量を使い切ってしまった際に予備として持っておくという意味合いで捉えても差し支えないでしょう。
楽天モバイルは実質的に月間パケット通信量に制限がないとされており、同様のパケット無制限プランを提供するキャリア3社と比較しても料金が半額以下と非常に安価となっています。
そのため、通信品質はパケット上限を撤廃したWiMAX +5Gには劣るものの使わなければ維持費が無料というメリットも手伝って人気となっていました。
楽天モバイルからMNPを利用して乗り換えることでユーザーにとってのメリットも大きい
総務省主導のもと、強烈な管制値下げが行われた結果、MVNO/MNO共にほぼ横並びの料金体系となり、ユーザーにとっては非常に悩ましい事態となっているのも事実です。
事業者側が差異を訴求する手段としては「回線乗り換え=MNPによる高性能端末の大幅値下げ」が横行しており、人気の最新iPhoneが1円で購入できるショップも出てきているほど。
楽天モバイルの「改悪」に嫌気がさしたユーザーはこうした最新端末の値引きにより「釣られやすく」なるでしょう。
ただしiPhoneを安売りしているのは大手キャリアのみです。
結局安さ故に楽天モバイルを利用していた方は端末欲しさに乗り換えても月々の維持費が跳ね上がるため、端末値引きを頻繁に実施している「IIJmio」や「OCNモバイルONE」へ流れることが予測されます。
楽天モバイルユーザーの選択は
この記事を読まれる方の多くは楽天モバイルユーザー、もしくは楽天モバイルに関心を寄せている方ではないでしょうか。
個人的には第4のキャリアとして果敢に攻める楽天モバイルの姿勢は非常に好きで、今後プラチナバンドを獲得するような事態となれば価格面でも回線面でもキャリアと同等となることが予測されるため、今後の躍進が期待できるでしょう。
今回の料金改定で落胆した「落胆モバイル」ユーザーも多くいらっしゃるかと思いますが、他キャリアの料金と比較すれば楽天モバイルは安すぎるほどです。
今回の一件はいわば楽天モバイルにとってみては「ファンユーザーの選別」といった側面もあるため、契約者数が減ったとしても損益はそれほど大きくないように思います。
ただし、現状のBand3のみしか持っていない状況ではやはり屋内(高層ビル・地下鉄など)での繋がりにくさは不便ですし、Rakuten Linkアプリの着信しない現象に見回れるのもメインの待ち受け回線とするには少々不安要素が大きいのも事実あります。
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楽天モバイル0円プラン廃止に伴うよくある質問
ここでは今回の0円プラン終了廃止に伴う疑問点やよくある質問についてお答えします。
楽天モバイルの1GBまで無料(0円)はいつまでですか?
- 楽天モバイルの1GBまで無料(0円)はいつまでですか?
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楽天モバイルの新プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」は2022年7月1日からスタートしますが、既存ユーザーの自動切り替えは2022年10月1日です。よって、現在のプランで1GB以下0円で利用できるのは2022年9月30日までとなります。それ以降は強制的に新プランへ以降されるため何も使わな買ったとしても月額1,078円(税込)が請求されるため注意が必要です。
楽天モバイルの0円プラン廃止で既存ユーザーはどうなりますか?
- 楽天モバイルの0円プラン廃止で既存ユーザーはどうなりますか?
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既存ユーザーに関しても一律新プランへ強制移行されます。自動切り替え日は2022年10月1日です。それ以降は何も使用しなくても月額1,078円(税込)の請求があるため、今後の対応について検討する必要があります。
楽天モバイルの0円プラン廃止で代わりにおすすめできる乗り換え先を教えてください。
- 楽天モバイルの0円プラン廃止で代わりにおすすめできる乗り換え先を教えてください。
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回答します。
1.電話番号を維持する=回線契約を維持するだけであればpovoが最も安価です。基本料金は無料で180日以内に一回以上トッピングを追加すれば回線契約が保持できます。
2.通話無制限目的で利用したいのであれば「かけ放題」が安いIIJmioがおすすめです。
3.LINE電話でもよければLINEカウントフリーを提供しているLINEMO やnuro mobile も併せて検討してみてください。
4.単純に月間1GB以下で安価となるのはドコモショップでも申し込めるOCNモバイルONEの500MB /コースです。他にもHISモバイルが5月中旬から提供する新プランも非常に安価となっています。