楽天モバイル[Rakuten Link(楽天リンク)アプリ]の仕様変更と10分間かけ放題オプション・iPhoneでの着信不具合について
2021年8月27日から楽天モバイルより「10分かけ放題オプション」が登場しました。
楽天モバイルってもともと通話料無料なのにどうして10分かけ放題を有料で始めたの?
iPhoneだと通話料無料SMS無料のの楽天リンクアプリでの発着信がうまく行かなくなって、iOS標準アプリでも安価に電話、無料でSMSが出来るようにしたかったためです。
楽天モバイルは「楽天リンクアプリを使えば通話料無料」という利点があるのにも関わらず、なぜ10分間かけ放題を始めたのか疑問に思う方が多くいらっしゃるでしょう。
わざわざ有料で10分間かけ放題オプションを開始したのは、7月6日に行われた楽天リンクアプリの仕様変更に伴う誤発信での料金請求およびSMSが無料で送れないことに対応するためだと考えられます。
- iOS標準アプリからの国内通話がかけ放題(1回10分以内)
- 国内SMSの送受信が使い放題
料金:1,100円(税込)/月
1.電話着信がiOS標準アプリに変更された
→発信は楽天リンクアプリを使わないと有料になる
→「10分かけ放題オプション」をつけることで標準アプリでの発信が1回10分まで無料
2.SMS受信がiOS標準アプリに変更された
→標準アプリでのSMS送信は有料となるため楽天リンク(SMS無料)のメリットがゼロになった
→「10分かけ放題オプション」をつけることで標準SMSアプリでの送受信が無料
本記事では「iPhone版楽天Linkアプリ仕様変更」と新たにスタートした「1回10分かけ放題オプション」について解説します。
河村亮介(カワムラリョウスケ)
スマホ乗り換えアドバイザー
通信費節約専門家
「あなたにぴったりのサービスを」をコンセプトに活動するスマホ乗り換えアドバイザー。複数メディアでの執筆監修も担当。利用者のニーズに沿ったサービス提案が得意。通信費の削減・節約を進めたい。回線系比較サイト「GreenWaves」運営/WEBサイト運営事業GreenEchoes Studio代表
楽天モバイルでiPhoneを使う方への注意喚起
■楽天モバイルでiOS15の新機能「プライベートリレー」を利用する場合、本来課金対象ではない下記サービスのデータ量が課金対象としてカウントされます。
- Rakuten Linkアプリ同士のメッセージ送受信、電話の発着信
- my 楽天モバイルの利用
※デフォルト状態ではプライベートリレーはオフになっています。オフにしたい場合は設定→ユーザー名をタップ→iCloudをタップ→プライベートリレーをタップ→プライベートリレーのスライダーを「OFF」にするという手順を取って下さい。
参考:https://network.mobile.rakuten.co.jp/information/news/service/803/
楽天モバイル、iPhone版楽天リンクアプリでの発着信の仕様変更の詳細
まずは2021年7月6日に実施されたiOS版楽天リンクアプリの変更点から確認しましょう。
改悪ポイントは下記2点です。
- 電話着信はすべて「iOS標準の純正通話アプリ」での着信に変更(標準アプリでのかけ直しは有料)
- SMS送受信はすべて「iOS標準のメッセージアプリ」を使うように変更(送信は有料)
※RakutenLinkアプリからの着信はRakutenLinkアプリで受けることが出来る
不在通知をうっかりかけ直すと有料になっちゃうってこと??
そういうことです。
今までは全て通話料無料の「楽天リンクアプリ」で発着信できましたが、これからは着信は「標準アプリ」になるため、かけ直す際はそこの番号をコピーして「楽天リンクアプリ」で発信しなおす必要があります。
SMSはどうなるの??
楽天リンクアプリからの送信はいままで通り無料でできますが、受信ボックスは標準アプリになるので、会話の流れが見えなくなります。
1.Rakuten Link(楽天リンク)未使用ユーザーからの着信はすべて「iOS標準の純正通話アプリ」での着信するように変更
楽天モバイルユーザーが電話を受ける場合、ほとんどの場合「iPhone標準アプリ」になります。
楽天モバイルの最大の利点は「月間1GB以下のパケット通信量であれば維持費無料で且つ通話無制限」ということです。Rakuten Linkは通常の電話アプリとは異なり、データ通信を用いた「IP電話」となっており、通常であれば音声通話を用いる場合は「パケット通信とは別料金」となりますが、楽天モバイルに限ってはRakuten Linkアプリで使用したパケット量については「カウントフリー」となっているため通話が無料となっている仕組みだと考えられます。
一方で、通常のiOS標準の通話アプリは従来通り「使った分だけ音声通話料金」がかかるタイプの「従来までの電話」となっており、「パケット通信とは別に料金が発生」するため、うっかり通常の電話アプリを使えば当然22秒/30円の「使った分だけ料金」がかかります。
楽天モバイル「楽天リンク」で無料で通話をする方法
着信自体は無料ですので特筆すべき点はありませんが、問題は「かけ直すとき」です。
Rakuten Linkユーザーは不在着信があった際に下記手順を踏まないと通話料金は無料となりません。
- 標準アプリでの着信を確認する
- 着信番号をコピーする
- Rakuten Linkアプリを開く
- コピーした番号を貼り付ける
- 発信する
最も面倒な点は、標準アプリの着信番号をコピーしてRakuten Linkアプリを開いて張り付けるということです。
残念ながら標準アプリでの着信履歴は楽天リンクアプリでは同期されません。
そうはならないと広報さんが言ってました。RT @halu_stock: @kawasaki_gr @iskw226 これは着信履歴は標準でんわアプリに共有されてるので
— 石川 温 (@iskw226) May 13, 2021
楽天リンクにも着信履歴は同期されるんじゃないですかねぇ。
ただし、連絡先自体は同期されるためコピペではなく登録済の連絡先から探せばコピペの手間は省けます。
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どちらにしても面倒なのは変わりませんが。
2.Rakuten Link(楽天リンク)未使用ユーザーからのSMS送受信はすべて「iOS標準のメッセージアプリ」を使うように変更
iPhoneでのSMS(ショートメッセージ)は全てiOS標準アプリを使うことになりました。
従来ではSMSでのメッセージを送受信する際には、楽天モバイルユーザーはすべてRakuten Linkアプリで送受信していましたが、仕様変更後からは「iOSの標準アプリ」での受信となります。
SMSはご存知の通りチャット型でやり取りできるのが特徴です。
今まで通り楽天リンクを使ってのSMS発信は無料ですが、相手が返信すると標準アプリで受信することになるため、楽天リンクからSMSを送信すると会話のやりとりが全く繋がらなくなります。
そうなると現実的にはSMSのやり取りはiOS標準アプリでしか行えなくなるでしょう。
iOSでのSMSは日本国内での送信は3円/70文字、それ以外の利用は100円/70文字となり、受信は無料となります。
…ってことは実質楽天モバイルでSMSでやりとりする場合は有料になるってこと?
残念ながらそういうことです・・・
iPhone標準電話アプリを削除しても着信される仕様は変わらない
iOS14からシステムアプリの「削除」が可能になりました。
「標準アプリを消せば楽天リンクアプリで着信するはず」と考える方も多いでしょう。
しかし削除されたアプリは「表示されなくなった」だけでシムテム上は残る仕組みとなっています。
よって、標準電話アプリを削除しても変わらず着信は標準通話アプリで行われるものと思われます。
標準通話アプリの履歴は楽天リンクアプリとは共有されないため、標準通話アプリをを消してしまうと着信履歴が簡単に表示出来なくなり逆に手間となってしまいます。
楽天リンクの仕様変更はAndroid(アンドロイド)では影響なし
楽天リンクの規約変更はiPhoneに限ったものであり、Androidでは影響はありません。
通常通り楽天リンクアプリで発着信可能です。
国内シェアの6割以上を占めるiPhoneとなっていることからこの影響を受ける人は多数いるでしょう。
しかし、Rakuten BIGやRakuten mini、その他楽天モバイル対応のAndroid端末は影響がないため、この規約変更から逃れるためにはiPhoneからAndroidへと機種変更を剃る必要があります。
楽天リンクはWi-Fi接続時は強制「非通知設定」になる
楽天リンクアプリでは自身がWi-Fiを使用した状態で、通話する相手が相手の電話帳に登録されていない場合、「非通知」として表示される仕様となっており、これはWiFiをオフにしてモバイルデータ通信としない限り解決しません。
この仕様はかなりひどいですね…非通知で着信して電話に出る人は少ないのではないでしょうか?
発信元がWi-Fiを利用している、かつ発信元が連絡先にない場合、着信者の着信表示/履歴には「非通知」と表示されます。
https://network.mobile.rakuten.co.jp/service/rakuten-link/
楽天リンクは「Android/iPhoneで着信できない・鳴らない」不具合がある
アプリ側や端末の設定で解決する場合がありますが、楽天リンクは標準の状態では「着信しても鳴らない」ケースが多いようです。
これはLINEでんわや050plus、SmarTalkなどのIP電話アプリでも同様です。
通常の電話アプリであればこういった設定の見直しは不要ですが、楽天リンクはIP電話となっているため、快適に使用するためにはそれなりに「通知」に関する知識が必要となります。
対策方法については下記をご覧ください。
10分間かけ放題オプションを追加することで楽天リンクアプリの使いにくさは解決
楽天リンクアプリでは、通話料無料となるアプリでの着信できなくなったことで、かけなおしによる料金の発生が懸念される状態となっていることが分かったでしょう。
続いて2021年8月27日から開始された「10分(標準)通話かけ放題」オプションについて紹介します。
10分間かけ放題オプションは下記のような仕様になっています。
- iOS標準アプリからん国内通話がかけ放題(1回10分以内)
- 国内SMSの送受信が使い放題
料金:1,100円(税込)/月
楽天リンクのような「IP電話」ではないため、面倒な設定なしで「着信しない」などの不具合は無くなるでしょう。
また、通常の「電話」となるため、VoLTE対応となり楽天リンクアプリで話すよりも高音質で聞き取りやすい音声で通話できるのも特筆すべきポイントです。
楽天リンクアプリの改悪では下記の不具合が発生する可能性がありますが、10分かけ放題オプションをつけることで全て解決します。
1.電話着信がiOS標準アプリに変更された
→発信は楽天リンクアプリを使わないと有料になる
→「10分かけ放題オプション」をつけることで標準アプリでの発信が1回10分まで無料
2.SMS受信がiOS標準アプリに変更された
→標準アプリでのSMS送信は有料となるため楽天リンク(SMS無料)のメリットがゼロになった
→「10分かけ放題オプション」をつけることで標準SMSアプリでの送受信が無料
楽天モバイル…うまいことやりましたね。
楽天モバイルiPhoneユーザーは10分かけ放題オプションをつけた方が安心できるがそこまでする人は果たして…
以上、楽天モバイルの無料通話アプリ「Rakuten Link」の仕様変更と、10分間かけ放題オプションについて解説してきました。
再掲となりますが、楽天モバイルの最大の利点は「月間1GB以下のパケット通信量であれば維持費無料で且つ通話無制限」ということです。
よって、データ通信を月間1GB以上とならないような使い方をしていれば無料で通話し放題の電話が出来上がります。
これに魅力を感じて使用している人も多いことでしょう。
しかし、今回のiOS版Rakuten Linkアプリの改悪ではかなりユーザーの利便性が損なわれてしまいました。
誤発信による課金リスクが格段に上がるため、iPhoneユーザーで通話が多い方は「10分間かけ放題オプション」をつけた方が安心して使用することが出来るでしょう。
楽天リンクをちゃんと使えるようにするには設定が面倒だよね・・・
適切にアプリの自動起動設定などをすれば解決しますが、「めんどくさい」ですよね。
そうなるとやはり「10分かけ放題オプション」をつけた方がいいですが、果たしてそこに1100円(税込)を払う価値を見出せるかどうか…
仮に月間20GB以上楽天モバイルを使ったとしても月額3,278円、ここにかけ放題オプションを追加しても4,378円となり、キャリアの無制限プランと比較しても3,000円以上安価になります。
iPhoneユーザーにとってはやはり10分間かけ放題オプションはつけた方が安心出来ると言えますが、手間を惜しまないのであればつける必要はありません。
また、Rakuten Linkの不具合として「主にiPhoneで着信できない・着信履歴が残らない点」や「WiFi接続時に電話発信すると強制非通知設定になる点」については解消しておらず、2021年夏から加筆修正している現在(2021年12月19日)まで継続して発生している点を考えると、「安心を第一に考えるユーザー」であれば契約を控えた方がいいでしょう。
最近では格安スマホでも安価に無制限かけ放題を提供している事業者も増えてきています。
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