総務省は2021年1月8日の武田総務大臣の会見において、テレワークの増加に伴う通信量増加が予想される中において、回線容量のひっ迫度の見通しについて言及しました。
Source:総務省
【お知らせ】2022年7月1日の改正電気事業通信法施行に伴い、掲載サービスの料金プランが大きく変更されている場合があります。随時修正を行なっておりますが、最新のプランについては公式サイトをご参照くださいますようお願いいたします。
武田総務大臣「通信量が相当程度増大しても耐えられるように設計」
武田総務大臣は2021年1月8日の会見でのテレワーク増加による回線容量ひっ迫に対する貴社の質問に対して、「通信量が相当程度増大しても耐えられるように設計」しており、現時点では問題ないとの認識を示しました。
2020年4月の時点ではピーク時間帯の通信量が約4割増加
2020年4月に緊急事態宣言発令された際には、ピーク時間帯の通信量が約4割程度増加していたことを明らかにしました。
緊急事態宣言の中では、企業に対して出勤者7割減を目標として要請しており、企業はテレワークや分散出社などの対応が求められています。
これにより相当量の通信量が増加することが見込まれていますが
「電気通信事業者」や「コンテンツ事業者」が参加する官民協議会において、定常的に「情報交換」や「対策の検討」を行っており、今回の宣言下においても、通信量の状況の把握に努め、問題があれば官民連携して対策を講じてまいりたい
と述べています。
回線容量ひっ迫とはどういう状況か?
回線容量ひっ迫というと若干わかりにくい印象です。
簡単に「回線容量ひっ迫=パンクして使えなくなる、通信速度が著しく低下する」ことについて紹介します。
光回線もモバイルでのデータ通信も、大本は「光回線」につながっています。
特にモバイルデータ通信においては、無線基地局でデータの送受信を行い、そこに接続されている有線ケーブルを介して他の無線基地局と接続して情報をやり取りしています。
引用:NTT
ネットワークの回線状況のひっ迫とは、処理能力に対して、処理すべき対象の量が100%に近い状態を指します。
これは、有線と無線の両方を考える必要があります。
私も専門家ではないので、ごく簡単に紹介します。
無線でやり取りできる容量が足りなくなる
上記図を参考にすると、スマートフォンで通信しようとすると、まずは無線基地局へ電波が飛んでいきます。
仮に通信している人数があなただけであれば、その電波を一人で使えるため、高速で通信できます。
イメージとしては、10車線ある道路を1台で走っているようなイメージです。
もちろんそんなことはなく、もっとたくさんの人がそこの基地局を介して通信します。
通信する人が多ければ多いほどその道路は込みやすくなり、渋滞=平均速度の低下が生じますが、それでもその基地局を使う人が殺到すると、今度は通信できないくらいの速度にまで低下します。
データを送信したはずが送信できないため、自動で何度も送ろうとしてみるということが生じます。
こうなってくると同時にデータ通信をする端末が増えている一方で、データ通信がとめどなく起こってしまいます。
これが無線ネットワークのパンクです。
有線でやり取りできる容量が足りなくなる
有線回線はホース、データ量を水だと仮定します。
ホースの直径は限られているため、一度に送れる量に限りがあります。送れなかった分は「再送」という形で再度送られます。
さらにその「再送」分が多くなり渋滞してくると、無線の時と同様に送らなければいけない水(データ量)がホースの穴の前で渋滞してしまい、遅延が生じてしまいます。
送れないから、再度送ってみるという状況が延々と続くことになり、送りたい情報も満足に送れない=パンクという形に陥ってしまいます。
携帯電話基地局の数
携帯電話基地局の数
1位 ドコモ 39% 34万1900基
2位 ソフトバンク 28% 24万2400基
3位 KDDI 18% 15万5200基
4位 UQコミュニケーションズ 7% 6万3500基
5位 Wireless City Planning 7% 6万3000基
総務省電波利用ホームページによると携帯電話基地局の数は上記のようになっています。
特定の通信基地局に大量のデータ通信が集中することで回線のパンクが起こりえますが、ドコモが5Gギガホプレミアで「パケット無制限」を開始するにあたって
NTTドコモも、「無制限に使われてもインフラ的には問題ない」とコメントしている。
引用:https://www.watch.impress.co.jp/docs/series/nishida/1296413.html
としており、現時点での通信量では無線でのパンク、および有線でのパンクは起こりえないと言えます。
テレワーク増加で需要増となるのは固定回線だけでなくモバイルWiFiルーターサービスも同様か
以上、総務省がテレワーク増加に伴う回線状況について回答したことについて触れてきました。
テレワークが増加する中で、最も簡単に大容量通信を確保できる手段は「モバイルWiFiルーターサービス」です。
工事不要で月間100GB程度の通信が可能、企業でも法人契約として手配できることからも「テレワークでの通信量負担」の問題も解決することが出来ます。
当事業がモバイルWiFiルーターサービス「ぴたっとWi-Fi」を運営する株式会社en service(東京都新宿区)に対して、当事業が計測用のデモ端末を依頼したところサポートセンターより下記の返信をいただきました。
お問い合わせ内容につきまして、
確認をさせていただきましたが、昨今の情勢、特に首都圏における緊急事態宣言を見込んだテレワーク需要が高まっており、現在限りある台数を受注分に優先的に提供している状況でございました。その為、大変申し訳ございませんが、現在の状況が落ち着き次第順次提供させていただきたく存じます。
何卒ご理解の程、よろしくお願い致します。
このように既に年明けから緊急事態宣言の発令を見越してモバイルWiFiルーターの受注が増加していることが明らかになりました。
法人契約であればNTTメディアサプライが提供するDoRACOONがシェアを伸ばしてきていることと思われます。
いずれにしてもこの緊急事態宣言の発令を受けて、新型コロナウィルス第三波の収束を願うばかりです。
Author:Ryosuke Kawamura(GreenEchoesStudio代表)
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