ワイモバイル「シンプルS/M/L」がパケット繰越しに対応|UQモバイルでんき割と家族割の比較
2021年6月9日、ソフトバンク株式会社および株式会社ウィルコム沖縄は、ワイモバイルの料金プラン「シンプルS/M/L」で余ったデータ容量を翌月に繰越しできるように改訂することを発表しました。
改訂は2021年8月を予定しています。
ワイモバイルの最大のライバル、auのサブブランド「UQモバイル」では非常に前からパケット繰越しに対応しており、両者の差異としては話題となることが多くありました。
このワイモバイルのパケット繰越し解禁により、ますますサブブランドでの競争が激化しそうです。
参照元:https://www.softbank.jp/corp/news/press/sbkk/2021/20210609_03/
ワイモバイル、シンプルS/M/Lでパケット繰越しを2021年8月から開始
ワイモバイルではその月に使用できなかったパケット通信量を翌月に繰越す「パケット繰越し」に2021年8月から対応する予定です。
例えば、月間15GBまで使用できる「シンプルM」プランの場合、月間10GB使用した翌月は残りの5GBを翌月に繰越すことができるため、翌月は合計20GBまで使用することができます。
データ量は
- くりこし分
- 規定容量
- 追加購入データ量
の順に消費されます。
ただし、すでにパケットを使い切って低速化しており、通常速度に戻す目的で追加チャージした分のパケット容量は、たとえその月で使いきれなかったとしても翌月に繰越すことができません。
また、繰り越せるデータ容量には上限がありますが、具体的な数値は未定とのことです。
データ増量オプションも合わせて「増量」へ
また、この変更に合わせて、2021年8月より「データ増量オプション(550円/月)」の値も「増量」することとなっています。
料金プラン | シンプルS | シンプルM | シンプルL |
---|---|---|---|
月間データ容量(規定容量) | 3GB | 15GB | 25GB |
「データ増量オプション」変更前 | +1GB | +3GB | +3GB |
「データ増量オプション」変更前 | +2GB | +5GB | +5GB |
合計データ容量(変更後) | 5GB | 20GB | 30GB |
パケット繰越しを実装している格安スマホ事業者一覧(MVNO)と容量超過後の制限速度について比較
当サイトで取り扱っている格安スマホ事業者でのパケット繰越し対応状況が下記になります。
事業者 | パケット繰越 | 制限後速度 |
---|---|---|
ドコモ(パケット無制限プラン除く) | 〇 | 128kbps |
au(パケット無制限プラン除く) | 〇 | 128kbps |
ソフトバンク(パケット無制限プラン除く) | 〇 | 128kbps |
ahamo | × | 1Mbps |
povo | × | 128kbps ※データ容量が0の場合 |
LINEMO | × | 1Mbps(スマホプラン) 300kbps(ミニプラン) |
UQモバイル | 〇 | 1Mbps(くりこしM/Lプラン) 300kbps(くりこしSプラン) |
ワイモバイル | 〇 | 1Mbps(シンプルM/Lプラン) 300kbps(シンプルSプラン) |
donedone(ドネドネ) | × | 1Mbps |
OCNモバイルONE | 〇 | 200kbps |
IIJmio | 〇 | 300kbps(ギガプラン) 200kbps(ギガプラン以外) |
mineo | 〇 | 200kbps (パケット放題Plus適用で1.5Mbps) |
BIGLOBEモバイル | 〇 | 200kbps |
イオンモバイル | 〇 | 200kbps |
エキサイトモバイル | 〇 | 200kbps |
J:COM MOBILE | 〇 | 1Mbps(10GB/20GBプラン) 200kbps(上記以外) |
nuro mobile | 〇 | 1Mbps(NEOプラン) 200kbps(バリュープラン) |
LIBMO | 〇 | 128kbps |
HISモバイル | × | 記載なし |
サブブランドではワイモバイルとUQモバイルがパケット繰越しに対応、最低容量プラン以外では制限後速度は1Mbpsとなっています。
その他の格安スマホ事業者では多くの事業者でパケット繰越しに対応しています。
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容量超過後の制限速度については、唯一JCOMモバイルの10GB /20GBプランのみ1Mbpsとなっていますが、他は200kbpsとなっており、速度制限後は「ほぼ使えない」状態となります。
ただし、mineoに関しては「パケット放題プラス」オプションを付与することで1.5Mbpsでの通信が無制限で可能となっています。
高速通信が可能で安価であればワイモバイルかUQモバイルの2択|次の競争は「セット割」か
以上、ワイモバイルがパケット繰越しに対応するというニュースをお伝えしてきました。
パケット繰越しがサブブランド2社で揃い、UQモバイルが今夏から5G対応となることで、パケット繰越し・5G対応で出揃ったことになります。
割引競争の次のフェーズは「セット割」に移ることとなります。
ワイモバイルでは2回線目から1,188円/回線が割引になります。(家族割引)
また、ソフトバンク光もしくはソフトバンクAirを契約している場合は1回線目から1,188円の割引となります。(おうち割)
ただし、家族割引とおうち割は併用できず、ソフトバンク光を契約している場合で複数回線を契約していれば、おうち割が適用されます。
一方で、UQモバイルでは固定回線とのセット割がない代わりに2021年6月10日から「でんき割」をスタートさせました。
KDDIが運営する「auでんき」「UQでんき」のどちからに加入している場合、くりこしプランS /Mであれば1回線目から月額638円割引、くりこしプランLであれば月額858円の割引となります。
下記にシミュレーションをしてみましょう。
ワイモバイルとUQモバイル共にMプランを3回線で契約していた場合の料金シミュレーション
- ワイモバイル|7,458円
- UQモバイル|6,270円
3回線契約の場合、UQでんき割引を適用したUQモバイルの方が安価です。
ワイモバイル|シンプルMプラン×3回線(家族割適用)
ワイモバイル | 料金 | 家族割引 |
---|---|---|
1回線目 | 3,278円 | なし |
2回線目 | 2,090円 | ▲1,188円 |
3回線目 | 2,090円 | ▲1,188円 |
合計金額 | 7,458円 | ▲2,376円 |
10分間かけ放題 | +770円/月/回線 | |
無制限かけ放題 | +1870円/月/回線 |
UQモバイル|くりこしプランM×3回線(UQでんき割適用)
UQモバイル | 料金 | UQでんき割引 |
---|---|---|
1回線目 | 2,090円 | ▲638円 |
2回線目 | 2,090円 | ▲638円 |
3回線目 | 2,090円 | ▲638円 |
合計金額 | 6,270円 | ▲1,924円 |
10分間かけ放題 | +770円/月/回線 | |
無制限かけ放題 | +1870円/月/回線 |
ワイモバイルとUQモバイル共にMプランを2回線で契約していた場合の料金シミュレーション
- ワイモバイル|5,278円
- UQモバイル|4,180円
2回線契約の場合、UQでんき割引を適用したUQモバイルの方が安価です。
ワイモバイル|シンプルMプラン×2回線(家族割適用)
ワイモバイル | 料金 | 家族割引 |
---|---|---|
1回線目 | 3,278円 | なし |
2回線目 | 2,090円 | ▲1,188円 |
合計金額 | 5,278円 | ▲1,188円 |
10分間かけ放題 | +770円/月/回線 | |
無制限かけ放題 | +1870円/月/回線 |
UQモバイル|くりこしプランM×2回線(UQでんき割適用)
UQモバイル | 料金 | UQでんき割引 |
---|---|---|
1回線目 | 2,090円 | ▲638円 |
2回線目 | 2,090円 | ▲638円 |
合計金額 | 4,180円 | ▲1,276円 |
10分間かけ放題 | +770円/月/回線 | |
無制限かけ放題 | +1870円/月/回線 |
ワイモバイルとUQモバイル共にMプランを1回線で契約していた場合の料金シミュレーション
- ワイモバイル|3,278円
- UQモバイル|2,090円
1回線契約の場合、UQでんき割引を適用したUQモバイルの方が安価です。
ワイモバイル|シンプルMプラン×1回線(家族割適用なし)
ワイモバイル | 料金 | 家族割引 |
---|---|---|
1回線目 | 3,278円 | なし |
合計金額 | 3,278円 | ▲0円 |
10分間かけ放題 | +770円/月/回線 | |
無制限かけ放題 | +1870円/月/回線 |
UQモバイル|くりこしプランM×1回線(UQでんき割適用)
UQモバイル | 料金 | UQでんきセット割 |
---|---|---|
1回線目 | 2,728円 | ▲638円 |
合計金額 | 2,090円 | ▲638円 |
10分間かけ放題 | +770円/月/回線 | |
無制限かけ放題 | +1870円/月/回線 |
電気料金をセットで考えればUQモバイル、家族割だけで考えるならワイモバイル
このように、執筆時時点ではでんきセット割を適用するとUQモバイルの方が安価となります。
電気をセットにしない場合であればワイモバイルの方が安価となります。
ただし、ワイモバイルはデータ節約モードが実装されていないため、場合によっては使いにくいケースも考えられます。
サブブランド2社の価格競争は熾烈となってきそうですね。