2020年10月1日からサービス提供を開始した「エキサイトモバイルWi-Fi」
○○WiFiというサービスが非常に増えてきている昨今ということもあって
「またか」
という声が少なくないとは思います。
レンタルWiFiルーター業界では、有名芸能人をCMキャラクターとして採用し、2020年6月17日に総務省の行政指導を受けた「どんなときもwifi」が悪い意味で一躍有名になってしまいました。
同サービスは2020年10月31日にサービス提供を終了する運びとなっています。
そんな暗い話題が多い中、エキサイトモバイルWi-Fiのリリースに関しては光明だと感じました。
本記事ではエキサイトモバイルWi-Fiが「第4の勢力」になる可能性を踏まえてその理由を解説していきます。
【お知らせ】2022年7月1日の改正電気事業通信法施行に伴い、掲載サービスの料金プランが大きく変更されている場合があります。随時修正を行なっておりますが、最新のプランについては公式サイトをご参照くださいますようお願いいたします。
昨今のレンタルWiFiルーターサービス事情について
レンタルWiFiルーターサービスは現在、WiMAX・ポケット型WIFI・クラウドSIMの3大勢力がシェアのせめぎあいを行っています。
<各社の概要>
サービス | 使用回線 | SIM種別 |
WiMAX | UQコミュニケーションズ | 再販型 |
ポケット型WiFi | ソフトバンク | 再販型 |
クラウドSIM | 大半がソフトバンク | 再販型 |
エキサイトモバイルWiFi | ドコモMVNO | MVNO |
それぞれメリット・デメリットがあるため用途に合わせてそれぞれの得意領域を生かしながらサービス展開をしています。
<WiMAX>
- ◎2時(6時)~18時までの間であればパケット通信量に制限なし
- ◎高速通信が可能
- ◎混雑時間帯の速度低下が少ない
- ▲再販型サービスのため規約変更リスクあり
- ▲3日/10GB以上使用すると上記時間以外は下り1Mbps制限がかかる
- ▲Band41(高周波数帯)を使用しているため屋内でつながりにくい
<ポケット型WiFi(ソフトバンク回線使用)>
- ◎ソフトバンク回線と同等の回線のためキャリア同様の高速通信が可能
- ◎混雑時間帯の速度低下が少ない
- ◎データ単価が安い
- ◎縛り期間がないものが多い
- ▲再販型サービスのため規約変更リスクあり
- ▲月間パケット上限は最大でも100GB程度
<クラウドSIM>
- ◎大容量通信が可能
- ◎データ単価が安い
- ▲大半がX社回線のため規約変更リスクあり
- ▲データシェアの仕組みとなっているため運営方法によっては通信障害リスクあり
- ▲回線切り替え時に通信が途切れやすい
大半がキャリア再販型サービスのためリスクあり
現在の三大勢力に関しては、そのすべてがキャリア回線の再販型サービスとなっています。
WiMAXの大本はUQコミュニケーションズ株式会社が運営する「UQWiMAX」のみで、他の○○WiMAXというサービスはUQWiMAXのサービス自体を再販売したものとなっています。
また、ポケット型WiFiとクラウドSIMもソフトバンク回線を再販売したサービスとなってます。
これら「再販型」サービスは、キャリア回線と同様の通信速度が出る一方で、サービス内容の決定権はそれぞれ大本の提供会社にあることから、一方的なサービス変更の可能性があります。
実際にはWiMAXでは2017年2月2日からWiMAXの通信条件が変更となっており、X社SIMカードを使ったサービスでは、2020年3月以降に卸値価格の値上げ、パケット上限の引き下げがあったと思われます。(※ソフトバンクについては公表なし)
参考:WiMAX 2+サービスにおける速度制限の今後の対応について(2016年12月22日)
要するに、あくまでもUQWiMAX以外は「他社依存」のサービスのため、急な規約変更によるサービス内容変更の可能性が大いにあるということです。
MVNO回線を使ったサービスの強み
MVNOとは|自社で通信電波網を持っている大手3大通信キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)から回線を借用することで通信を行う通信事業者のこと。自社で通信設備を持たないことから設備投資が少なく安価に通信サービスを利用者に提供できるのが特徴。加えて、通信に関する制限等は自社で行え、価格設定等に関しても自社で設定することが可能。
MVNOとは簡単に言うと「キャリアから回線帯域を借用し、自社で通信網を持たずに通信サービスを提供している事業者」のことを言います。
このMVNOには大きく分けて2種類「再販型サービス」と「レイヤー2接続」が存在します。
再販型サービスは販売価格などの基本的なものは販売店が決めることができますが、それ以外については手を加えることができません。
一方でレイヤー2接続の方は、キャリアの通信網をそのまま販売する「単純再販型」とは違い、MVNO側でユーザーの通信量の把握や通信速度を制御できるのが特徴です。
よって、多くのキャリアが行っているユーザー管理機能が自社で行えます。
エキサイトモバイルWi-Fiが自社がMVNOとなってドコモ回線のSIMカードを調達しているのであれば、SIMカードのコントロールは自社で行えることになります。まだ実際の端末で試すことができないため、あくまでも予想の範疇を出ませんが、今後レビューしていく予定です。
問題となるのは回線速度
先ほど同様にMVNO回線を使ったサービスのデメリットを見ていきます。
<MVNO回線のWiFIルーターサービス>
- ◎大容量通信が可能
- ◎データ単価が安い
- ◎規約変更リスク少ない
- ▲速度が十分に出ない可能性がある
- ▲混雑時間帯の速度低下が生じる可能性がある
MVNO=格安スマホの最大の弱点は「回線速度」です。
大手キャリアのサブブランドであるUQモバイルやワイモバイルの通信速度が速いのは、それだけ広い帯域を借用しているのが理由です。
この図のように借りている帯域に対して、その接続基地局のユーザー数が増えることで回線が混雑し速度低下が生じます。
これが顕著となるのが同時に使用するユーザーが増える混雑時間帯ということです。
エキサイトモバイルに関しては、このあたりも踏まえて現実的な通信速度が実現できるよう調整を図ってほしいですね。
エキサイトモバイルは第4の勢力になれるか
以上、エキサイトモバイルが第4の勢力になるための強みが「レイヤー2接続のMVNOであるとするならば、規約変更リスク最小限の安心したサービスが提供できる」ということについて説明してきました。
今後、WiMAX・ポケット型WIFI・クラウドSIMに次ぐ「第4の勢力」になっていく可能性は十分に考えられるのではないでしょうか。
今後実機をレビューしていきたいと考えています。
【公式】エキサイトモバイルWi-Fi