
イオンモバイルは2020年11月1日(日)からMNP転出料を値下げする方針を発表しました。
■MNP転出手数料:契約期間に関わらず、一律3,000円(税抜)
■変更適用日:2020年11月1日(日)
■対象者:上記変更適用日以降に、MNP転出されたお客さま
※MNP予約番号の払出日にかかわらず、MNP転出が完了した日(他社への転入が成立した日)が基準となります。■補足:
10月31日までにMNP予約番号を取得された場合でも、転出日が11月1日以降の場合は適用されます。Source:AEON MOBILE
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イオンモバイル、MNP転出料を従来の15,000円から大幅値下げ
現在のイオンモバイルのMNP転出料に関しては、90日以内の転出の場合15,000円となっており、他MVNOと比較しても非常に高額となっています。
イオンモバイルからMNPにて他社に転出される場合、イオンモバイル音声通話サービスのご利用期間により、下記のMNP転出手数料が発生します。
・音声サービス契約後90日以内:1回線につき15,000円(税抜)
・音声サービス契約後91日以降:1回線につき3,000円(税抜)
ただし、イオンモバイルにMNP転入された回線の転出手数料は、期間にかかわらず1回線につき3,000円(税抜)です。引用:イオンモバイル
イオンモバイルFAQによると、上記のように90日以内であれば1回線につき15,000円の転出料がかかります。
91日目以降であれば3,000円となります。
しかし、注釈にあるように他社からイオンモバイルへMNPで転入した場合は一律3,000円となっており、あくまでも「90日以内のMNPは15,000円」というのは、新規にイオンモバイルを契約したユーザーに限る、ということだと思われます。
これが、2020年11月1日~一律3,000円に改定されるとのことです。
他サブブランド、MVNO、MNP転出時にかかる料金比較
他のMVNOやサブブランドの転出料金について見ていきましょう。
※多くの場合、転入にかかる事務手数料は3,000円となっています。
ブランド名 | 種別 | 最低利用期間 | 解除料 | MNP転出費用 |
UQモバイル | サブブランド | ― | ― | 3,000円 |
ワイモバイル | サブブランド | ― | ― | 3,000円 |
IIJmio | フルMVNO | 利用付きの翌月末日まで | 1,000円 | 3,000円 |
OCNモバイルONE | フルMVNO | ― | ― | 3,000円 |
LINEモバイル | ライトMVNO | ― | ― | 3,000円 |
BIGLOBEモバイル | ライトMVNO | ― | ― | 1年以内の転出で1,000円+3,000円 |
イオンモバイル | ライトMVNO | ― | ― | 3,000円 ※2020年11月1日~ |
LIBMO | ライトMVNO | 12ヶ月※ | 10,450円 | 3,000円 |
mineo | ライトMVNO | ― | 1年以内の転出で10,450円 | 3,000円 |
ロケットモバイル | ライトMVNO | 12ヶ月※ | 10,450円 | 3,000円 |
LinksMate | ライトMVNO | ― | ― | 3,000円 |
参考:

イオンモバイルが転出料金の改定を行ったことで転出料は3,000円で統一された形となりました。
一方で、転出の際に「別に」解除料金を請求する事業者も存在しています。
2019年9月30日までにご契約いただいた方は、ご利用開始月の翌月から12カ月以内に携帯電話番号ポータビリティー(MNP)転出される場合に限り、MNP転出時契約解除料10,450円(税込)を申し受けております。
なお、2019年10月以降にご契約いただいた方は、MNP転出時契約解除料はかかりません。
MNP転出の際は、ご利用期間を問わず、一律MNP転出手数料3,300円(税込)を申し受けております。引用:mineo
mineoでは2019年9月30日までに申し込みをした方は解除料金10,450円が請求されます。
■MNP転出時の諸費用
MNP転出手数料3,000円(税抜)
音声通話機能付きSIMカードの最低利用期間は課金開始日より1年間となります。最低利用期間内に携帯電話番号ポータビリティ(MNP)転出される場合は、音声通話機能解除手数料9,500円(税抜)を別途お支払いいただきます。
※、契約解除料0円プログラムもしくは端末購入サポートプログラムの適用がされているご契約の場合は、ご利用期間にかかわらず音声通話機能解除料9,500円(税抜)は発生しません。引用:LIBMO
LIBMOでは12ヶ月縛りが存在するため、契約期間内の解除では違約金9,500円がかかります。※別途プログラム申し込みで解除料0円となりますが、人気のペア割30プランや学生支援30プランには適用できません。
総務省アクションプランではMNP手数料の無料化を進めていく方針
2020年10月28日に総務省が発表したアクションプランでは、番号持ち運び制度(MNP)の利用環境の整備の項目において、MNP転出料の原則無料化を掲げています。

イオンモバイルのMNP転出料の引き下げは、アクションプランから転出料についての注目が集まる中で、他社MVNOと比べて格段に高額だったため値下げをした感じが否めません。
せっかくであれば無料化しても良かったのでは…とも思います。
やはり魅力に劣るMVNOの大容量プラン
イオンモバイルはMVNOの中でも大容量プランをラインナップしています。
2020年8月には料金の値下げも行いました。
イオンモバイル | イオンモバイル | |
プラン | 音声20GBプラン | 音声50GBプラン |
月額料金 | 3,980円 | 6,980円 |
使用回線 | ドコモ/au | ドコモ/au |
データ容量 | 20GB | 50GB |
データチャージ | 480円/1GB | 480円/1GB |
容量超過後速度 | 最大200kbps | 最大200Mbps |
通話オプション | 国内10分間かけ放題 850円 050かけ放題 1,500円 |
国内10分間かけ放題 850円 050かけ放題 1,500円 |
光回線セット割 | なし | なし |
10分間かけ放題追加 | 4,830円 | 7,830円 |
公式 | イオンモバイル |
2020年12月に始まるワイモバイルの新プラン、2021年2月に始まるUQモバイルの新プランと比較してみましょう。
項目 | UQモバイル スマホプランV |
ワイモバイル シンプル20 |
価格 | 3,980円 | 4,480円 |
月間パケット上限 | 20GB | 20GB |
通話オプション | 60分/月:500円 10分/回:700円 かけ放題:1,700円 |
10分/回:無料 ※アンバンドル不可 |
制限後速度 | 1Mbps | 1Mbps |
2回線目以降 | -500円 | 新プランに家族割(2回線目以降500円割引)はなし 新規割(月額500円を半年間割引)もなし |
10分かけ放題追加 | 4,680円 | 4,480円 |
2回線目料金 | 3,480円 | 4,480円 |
サブブランドの台頭はMVNOの衰退と消滅につながる
やはりサブブランド2社の方が安価となっています。
加えて、回線速度も速く、制限後1Mbpsで通信が可能となると、やはり今後イオンモバイルをはじめMVNOには勝ち目がないように思います。
総務省が実施している施策は、キャリアがサブブランドでMVNOよりも安価なプランをリリースすることでMVNOの衰退と崩壊を招くことが考えられます。
そもそもMVNOはキャリアに回線使用料を払っており、原価が決まっている以上それ以上の値下げは困難です。
キャリアであれば企業体力的にも価格を下げる余地があると考えていますが、MVNOにはそれは不可能です。
今回のサブブランドの台頭は総務省の介入によってもたらされてしまったことは間違いありません。
このままでは益々大手キャリアの寡占状態が強固となると考えているのは私だけではないでしょう。
今後も引き続き通信業界について調査を進めて参ります。



